2019年5月20日から「1kgの定義」が変わる

パリに行けば「国際キログラム原器」という金属塊があって、それが1kgの元になっている、という風に習っていましたが、やはり現物を基準とするのはよろしくないらしく、世界計量記念日を期して新しい定義に変わるという動きがありました。新しい定義は「キログラムは基底状態にある静止した5.018…×10の25乗個の自由な炭素原子12Cの質量に等しい」というもの。


この炭素原子の質量を厳密に測れば、1億分の5を下回る精密な1kgを測ることができることが証明されたことが今回の変更の肝なのだそう。

来年、130年ぶりの大改訂!「新しい1キログラムの測り方」は何が変わる?(J-WAVE NEWS)

錆は幸い発生していないようなんですけど、実はその原因はよくわかってないんですが、この世界にひとつしか無い分銅「国際キログラム原器」。これと同じときに同じように作った兄弟、姉妹たちがあって、それらを比較してみると段々ズレてきてるんです。おそらく空気中の蒸気とか不純物が付着したり、使うとき、測りにのせるときに容器から出して洗うんですね。もしかしたら増えているかもしれないし、洗ったときに何かが剥がれて減っているのかもしれない。その理由はわからないんですけど、同じ時期に作られた兄弟、姉妹と比べると、100年間で指紋1個分くらい、1億分の5くらいなんですけど、そのくらいの違いが認められたんです。


元の原器のままでも、私の体重にこの1億分の5の変動はまず影響しない。体重計の計測誤差よりも小さい話でしかないが、もっと微小重量のものを測るときに「大本の単位に誤差があっては困る」ということのために新しい「原器」を作り出す努力がはらわれたというお話。


その計測に日本も大きくかかわったらしく、詳しく解説するサイトも。

キログラム定義改定特設サイト(産総研)


なお、上野の科学博物館では特別展示を実施中。

科博NWES展示「さようならキログラム原器―「はかる」単位、130 年ぶりの大改定」(PDFファイル)

なんとこの単位定義変更物語は映画化も?!

https://www.thelastartifactfilm.com/



この手の「人間には知覚できないレベルでの詳細化」は他の単位にも及んでいて、

新時代を迎える計量基本単位 - SI定義改定(国際単位系)-(計量標準総合センター)

SI Brochure第9版(フランス語及び英語)


基本単位(base units)には、長さ(メートル)、質量(キログラム)、時間(秒)、電気(アンペア)、温度(ケルビン)、光度(カンデラ)、物質量(モル)について、


1メートル:1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ

1秒:セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の9,192,631,770倍の継続時間
参考: 秒の定義


は従来通りとして、今回、kgの定義と共に、

1モル:6.02214076×1023の要素粒子を含む物質量(アボガドロ数)
参考: 物質量(モル)の定義が変わります!(国際交流委員会 単位・記号専門委員会)

1ケルビン:ボルツマン定数(k)を「1.380649×10-23J/K」として定め、その値をもとに定義された熱力学温度

1アンペア:電気素量(e)を「1.602176634×10-19C」として規定し、これをもとに設定された電流。


最後に、

1カンデラ:周波数 540×1012ヘルツの単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源の、その方向における光度

も、ほぼ同様の内容で表現だけ改めた新定義が設定されたとのこと。探してみたけど産総研などのサイトでも旧来の表現しか見ないので本当に「変更」とは言わない程度なのかもしれぬが。

画像



出典: 速報!国際度量衡総会において新定義採択(産総研)


正直、どんだけ細かいの?という感じではあるけど、その「細かさ」の恩恵を自分もどこかで受けているはずで、それはそれですごいことだなと思う次第。しかし原器の重さが1億分の5ほど変動したというのを測った段階でとんでもないわな。

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