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zoom RSS 本「日本史の森をゆく」

<<   作成日時 : 2015/07/08 22:16   >>

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私が子どもだった頃「元実家というか本家?の建物だった旧家付属の蔵」から江戸時代の書状が出てきて、初めて発見された珍しい内容の書類だったため、史料価値があるということでその地元で小さな新聞記事になったのを見たことがあるのですが、一見ただの古い紙っきれにも「ほうほう、当時にはそんなことが!」を示す面白いことが書いてあるかもしれません。

東京大学史料編纂所

日本史の森をゆく 史料が語るとっておきの42話(中公新書)


例えば、こんな「意外な事実」が。

曰く、戦国大名の大友宗麟が保有していた大砲「国崩し」、何と今はロシアの国立軍事史博物館にあるという、一体どんな経緯をたどってそこに至ったのか?

曰く、1590年にイギリスのプリマスで、イングランドの海兵だった日本人兄弟がいるという。

曰く、「ありゃ朝敵征伐せよとの錦の御旗じゃ知らなんか トコトンヤレ トンヤレナ♪」の歌は、ウィーンで琴演奏がされていて、ヨハネス・ブラームスがそれを聴いている。


かと思えば、
豊臣秀吉が朝鮮半島に侵略した際に陶工を多数拉致してきて日本で作らせ、そこから焼き物の歴史が…という話はどこまで真実か?

とか、

出島にいたオランダ商人が江戸幕府に提出していた「オランダ風説書」(世界情勢報告書みたいなもの)で、当時英国で発生した「名誉革命」がレポートされているのだが、原書と訳書を見比べると内容が違う(訳書の方が内容が多い)。これは一体どういうことか?

なんで室町時代の禅の僧侶が説く「杜甫の詩の解説」受講ノートに「日本の農作事情」への言及が多いのか


とかいった謎を、文献を頼りにこれらのミステリーを解くアンソロジー本であります。


もちろんただの歴史雑学本ではなく、メインは「文献を解釈して歴史をひも解くという研究はどういうものなのか」の紹介(新しい研究者のリクルート?)であるため、


文献に何が書いてあるか、それはどういう意味か(平安貴族の日記から当時の出世競争を読み解くなど)を知るのと同列で、

そもそも「写し」の形で保存されている文献の間に「異なる記述がある」場合、どの記述がオリジナルなのかをどうやって判断するか(事例として、「写の写しは正確に原典の模写」だが「原典から直接写したはずのものは改ざんされている」という文書が出てくる。さて、何で?)、

ある文書が作られた背景を知るために、そもそもその時代の公式文書の作成事務手続きはどうなっていたのか、
(鎌倉時代の代書屋というか「行政書士」?とか「白紙書状」の話とか
徳政令には、高札に書かれたものと、役所の壁に貼られた紙のものがあり、内容が若干異なるとか、
直接支配されていない地域での治安維持や刑罰の実施と、その報告はどのようになされたかとか)


などということにも言及していて、いろいろ興味深いです。


これを読んでいて思い出すのは一つの時代小説。

舞台は、この本にも出てくる江戸幕府の書物保管庫「紅葉山(江戸城内に存在)」、

主人公は、一人の「書物同心」(書物奉行の下で文書の整理、保管にあたる世襲の役職)、

書の心得のある主人公と、印判作りの上手い妻が協力して行う「副業」は、紅葉山にある書の名人の作品などをコピーした贋作作り

その「様々な筆跡をコピーできる能力」を用いた副業はだんだんとエスカレートし、「前例があるってことになれば通ってしまう」政治を逆手に取った「過去の事例記録」の捏造に発展。最後は「権現様がさる大名に与えた本領安堵の書付」なるものの真偽は?といった騒動に。

星新一の「紙の城」という作品ですが、もし本当にそんなことがあって、偽造書類が本物の中に混ぜ込まれてたら、後世の研究者側はたまらんだろうなぁ。



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