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zoom RSS 本「大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇」

<<   作成日時 : 2013/12/30 22:32   >>

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幅広く情報を集めて、相手の立ち位置でものを考え、その出方を読むようにしないと、結局のところ自分たちの手前勝手な思い込みのままに進んで敗れ去ってしまう、だから「様々なレベルで一次情報を集めること」と「それを『相手の目でどう判断されるか』を考えること」が重要なのだ、ということを、太平洋の孤島たちを巡って行われた戦いに参加した筆者がまとめた本です。


別に現代でも「業界他社やお客様の動向」、「市場のニーズや『風向き』」、「採用する側が何に重きを置いているか」などを把握しないで自社の都合で立てられた拡販計画とかは、あっさりと計画未達として沈んでいくわけですが、

その「我々が自信をもって投入する新製品なのだから、必ず市場は受け入れる」的な言い方って、「皇国の無敵神兵」あたりに置き換えると、70年くらい前と何も変わらないのかなぁ、という話。


筆者は、太平洋戦争の開戦直前に大本営の陸軍情報部に配属された元軍人で、紆余曲折を経て、米軍の反攻で玉砕相次ぐ中のフィリピン第十四方面軍(山下兵団)に情報主任参謀として赴任。リンガエン湾への米軍の上陸時期などを的中させ、「マッカーサー参謀」とあだ名された将校。戦後は再び設立された自衛隊の情報室長などを歴任した、という方。


自分たちは、こんな風に戦時下での各国情報を集めていた、処理していた、という具体的な話が続くのだけど、太平洋戦争の各戦いの時間軸に関する知識(だいたいいつ頃、どの辺でどんな戦いがあったか)は、前提として若干端折られているので、ガダルカナル失陥くらいから、ペリリュー島などの孤島の戦い、レイテ海戦、フィリピン島の戦いへの流れは別の資料で補完した方がいいかもしれません。


基本的には、戦略構想がまずく、彼我の戦力分析がちゃんと出来ていないので、よく分かっていない情報に振り回される形で日本軍の戦力は分断、個別撃破され、「自分たちが主導権を握っているわけでもないのに、『相手は自分たちの想像通りの動きをするはずだ』的な行動を取るものだからさらに状況を悪化させる」という話が続くので、若干気が滅入ってくるところはあります。

ただ、失敗というのは、誰かが悪かったとかいう単純な話で片付けるのではなく、何がどうしてどの結果と結びついたのかをちゃんと見ていかないと、また繰り返してしまい、前に失敗を繰り返さないことを願っていた先人たちに申し訳が立たないわけで、その意味では、当時の大本営的な仕事をしてしまいがちな、「計画立案」を仕事にしている人たちが読むべき本なのかなぁ、と。


特筆大書したいのは、筆者が受けた土肥原将軍の教え

「枝葉末節にとらわれないで、本質を見よ。表層の字や形を覚えるのではなく、その奥にある深層の本質を見るべし。似たようなものも、実はどこかが違う、形にとらわれて『同じようなもの』と思わないこと」(いーわん抄訳)


と、戦後、日本軍の情報戦能力に関して米軍が下した評価

1.ドイツが勝つという判断という色眼鏡ごしに連合軍側の戦争遂行力を過小評価した
2.制空権喪失により航空偵察能力を失った
3.陸海軍がそれぞれに手に入れた情報が共有されていない
4.情報専任の人材がおらず、情報の取り扱いに関するまともな教育カリキュラムもなかった
5.日本軍は精強だから勝つといった精神論が、具体的な情報に基づく判断を行うことを阻害した


本当に日本人は反省したんでしょうかね?


「兎の戦力は、速い脚と大きな耳のどちらであるか?」への答え

いかに速い脚も、耳が肉食獣の接近を察知できなければ活かせない、という話は重要だと思うのだけど。やはり、早い脚とかの見た目が立派な武器に目を奪われてしまうんですよねぇ・・・地道で継続的な準備の重要性って目に見えにくいですからね。




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