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zoom RSS 本:「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち

<<   作成日時 : 2013/09/28 22:14   >>

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簡単に言ってしまうと「三国時代、魏・呉・蜀の統治機構はどのようなものだったのか」、君主の下にいた文官(行政官や軍師・参謀を担った人たち)はどのような人たちで、どんな国家運営を行っていたのかを解説した本です。

最近は、アニメとかで三国志の英雄たちが「女性キャラ」になったりしているおかげでさらにわけが分からなくなっている気がしないでもないですが、曹操、劉備や孫権を頭に頂き、覇権を競い合った三国時代は、西暦200年前後の約100年間に実際に起きた出来事で、関羽や諸葛亮といった人物はかつての実在の人たち。


元々存在していた国家「漢」の統治機構と威令が失われ、反乱が各地で勃発し、人々が右往左往している状況下で、どうやって秩序を取り戻すか、

→ 治安維持のための「軍」だけで地域を支配しても、その地域を把握して、税をとったり産業を発展させたりといった「統治」をすることができない

→ 地域には「名士=地方の知識人階級(その地方の豪族や、行政官の家系など支配層)」の人たちがいて、その地域の状況を把握しているので、軍事的に征服した者は、統治をしてもらうためにその者たちを「取り込む」必要がある。

→ でも、君主はある意味「余所者」で、「名士には名士の繋がりと序列がある」ので、統治のために「名士グループ」をそのまま起用してしまうと、「君主と名士の主従関係があいまい(君主が絶対上という風になりにくい)」になってしまう

→ では、「群雄や皇帝は、どのように名士たちを仕えさせたのか」

という内容になっています。


個人的に、いわゆる軍師・内政官に就く文官が、諫言したり助言を拒否したりと君主に反抗する話があって、「後で君主側が『私が間違っていた』と謝る」パターンが不思議(同じ文脈で、耳に痛いことを言われた君主が直言した臣下を殺してしまうケースと殺せないケースの違いがうまく分類できない)だったのですが、

この「名士には名士の繋がりと序列がある」ために、ある君主の臣下にいても、名士としての評価の序列の元になった価値観(儒教とか)が君主の行動と相容れなければ、君主の言うことを聞かないことが正当化でき、

そこを下手に君主側がつつく(自分の言うことを聞かない名士を殺す)と、その名士と繋がりのある名士グループが敵にまわってしまう(=ある地域への支配力が弱まる)結果を生みかねず、最悪の場合、君主は領国支配力を失ってしまう、

という考え方は目から鱗でした。

この考え方だと、基本的に君主よりも名士の方が分がある(そりゃ一時的な制圧力=軍事よりも統治能力がある方が長期的には強いわな・・・)から、直諫の士が君主に対して強く出られるわけだ。

でもって、君主は、最終的に「名士たちが自分に従う大義名分を用意する」ことで名士たちの上に立つしかない、ということらしい。


以前、三国末期の史実に準拠した

本「それからの三国志」(2012/07/16)

の中で、名士たちが「貴族」へと移っていって、君主(皇帝)は所詮貴族の合議の上に乗っかっているだけの存在へと変化した、という話が出てくるのですが、

実は「名士の序列」は名士相互で決まるけど、「貴族」は君主から与えられる地位である以上、

曹操らの第一世代の君主が臣下に対して持っていた支配力よりも、司馬炎が晋として三国を統一したときの臣下への支配力の方が強まっていて、臣下が君主に逆らいにくくなっているわけで、両方の解釈が正しいとすると矛盾になりかねない。

でもこれは逆に、「君主と臣下の緊張関係がなくなることで、馴れ合いが起きている(他の君主、というものがいないので、臣下側は君主を見限っても別の君主に移れないし、君主側は逆に臣下の身分保障をきちんと行わないと「挿げ替えられる危険性」が高まる)」だったということなのですかね。


国家経営は一人や少数の「英雄」の仕事ではなく、人間関係を複雑に組み合わせ、名目を整え、感情に配慮して行う技術なんだなというのを実感できます。会社経営におけるスタッフも多少似たような気がしないでも・・・





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