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zoom RSS 本「ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興-」

<<   作成日時 : 2009/09/11 22:58   >>

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100冊倶楽部の「オススメ本をシェアする会」の時にいただいてきた本。第二次世界大戦突入までは、ナチスドイツの経済政策は、ドイツ一国に閉じて見ている限り上手く行っていて、国民の支持もあった、というなかなか知られていない事実を元に、一体どんな経済政策だったのかを教えてくれる本です。

ナチス党とは、その後のヒトラーのソ連との敵対ぶりや共産主義の嫌い方から誤解されるが、実は「国家社会主義党」であって、資本家を制限し、労働者への保護を厚くすることを政策に掲げた政党。

大恐慌当時の国際経済の波をかぶっているドイツで、失業者が大勢いる状況ですので、労働者保護をうたう政党に人気が集まるのも当然です。本来敵対するはずの資本家たちも、社会主義は共産革命よりマシと考えざるを得ず、政権をとれたわけですね。

でもって、ナチスが行ったのは、

・アウトバーンなどの公共事業の実施
・中高年優先の雇用義務(家族もちの失業者と独り者の失業者では、困窮している人数に差がでるし、企業をほっておくとたくさん働かせることが可能で賃金が安く済む若者ばかり雇おうとしがちなので)の策定
・中小企業への政府融資(お金ではなく、資材供給で)
・零細農家への補助
・労働者保護(時短、有給増加、健康診断制度、住宅供給政策や労働者向けのレジャー振興政策など)政策の実施

これで、労働者層を安定させて治安をよくし、個人消費を活発にすることで内需拡大をはかる。

海外貿易は、植民地を持つ列強が「ブロック経済化」しているのに対抗して「物々交換貿易圏」にて実施、ということらしい。


でも、これらはヒトラーの政策ではなく、第一次大戦後のドイツでのハイパーインフレを収束させた(この収束の方法論は日銀が研究し、敗戦後インフレが発生した日本において活かされたが、ここでは別の話)財政家ヒャルマール・シャハトの政策。

これらの「国家の財政出動」にあたって、国債などをダミー会社を通じて流通させるといった手段(当時のドイツは国家としては戦時賠償などもあって貧乏もいいとこ、国債の買い手なんて普通はいません)まで使って資金を捻出するという辣腕ぶり。

と言いながらも、再びインフレを起こさないように計算されたマネー供給で、見かけ上の財政で景気を回復させる、というのを見ていると

「錬金術」ってこういうことを言うのかな、

「お金というのは本当に幻想なんだな」という気がしてきます。

インフレやデフレが起き、それを収束させようと国家財政が動かされるといっても、それは所詮概念的なお金の供給量がコントロールされているって話。それで、実際の人の生活が変わるのだから、不思議なものです。とは言え、こういうイリュージョンな政策は、本来限定的に用いるもので、「いつ止めるか」のタイミングとともに扱わないといけないはずですけどね。


でも、上手く行き始めると調子に乗るのが政治家。そして、一度味をしめたものを手放せないのが国民。シャハトが必死にコントロールしているマネーの供給量を超えたマネーを作り出させて、それを軍備にあてるべくシャハトを罷免。結果、財政が傾くとともに戦火は広がっていきます。

一応、罷免後のゲーリングによる無軌道な財政と、シュペーアによる最後の引き締めが出てくるので、「ナチス時代財政史」にはなるのですが、シャハト後はほんのおまけ程度なので、この本は「シャハトの経済政策」が正しいでしょうね。


資本主義を極限に自由に行わせると多くの人が幸せを感じられない。共産主義では、皆が働かなくなる。その中庸をどこに取るか、を考えるときに、

何で「昭和30〜50年台の日本は、日本型社会主義と言われる資本主義国家といわれたのか」と並んで、「シャハトがコントロールしたドイツはなぜ、急激に景気を回復することができたのか」は検討に値する話なのかもしれないですね。

結構、現代の「公約」としてもウケそうな政策を実施していたんですねぇ。




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