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zoom RSS 本「世界史の10人」

<<   作成日時 : 2016/09/11 22:48   >>

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外敵が迫ってきている、統治機構が古くなってきて混乱が生じている、新国家を樹立しようとしている・・・歴史上にはそんな厄介な状況の中で立ち回りを余儀なくされたリーダーというものが大勢いて、成功者も失敗者もたくさんいるわけですが、面白いことに、何とかうまくいったかな、というリーダーに共通するのが「歴史をひも解き先人の成功と失敗によく学ぼうとする」姿勢があること。それに倣って、我々はどんなリーダーを戴くべきなのか、もしくはどんなリーダーになればいいのか、という事例を多く知りたい、という欲求を叶えてくれる本です。


世の中には「世界史」という授業科目があるけど、それは大抵の場合、「文明勃興を扱った後、ギリシャ・ローマへ行き、中世イスラムに流れた後、中世・近世・近代とヨーロッパを走り(その合間に植民地化される南米やアフリカ、アジアが扱われ)、合間合間に挟まる中国王朝の変遷を見て現代史となる」程度であって、実際のところ世界史ではない。まぁ、「現代の世界で大国として扱われる国家の歴史詰め合わせ」というところ。ついでに、現代との接点であるウィーン体制くらいから後の世界を授業であまりやらないから微妙に中途半端。


もちろん、現在の世界秩序の構築者であるヨーロッパの価値観ややってきたことが、今の秩序の土台となる柱の一本一本になってこの世界を組んでいるので、それはそれで大事なのだけど、

ヨーロッパ史の知識のみでは、世界の大部分を占める他の地域にも文明があり、歴史があり、傑物がいて、汲むべき教訓にあふれていることを見落とすし、そもそも日本人もヨーロッパ民族でないくせに「西洋以外を見下す」温床になりかねない。


遠い昔に読んだ、「ミレニアム−文明の興亡この1000年の世界−」みたいな本のように、

あの国でこんなことがあった頃、別の場所にはこんな文明が、を世界規模で鳥瞰できるものを手に取ると、意外な−と言っては失礼だが−場所に「その時代にはとても輝いていた場所」が見つかったりして、多くの人が知らない傑物や、物の見方を得られるかも。この「世界史の10人」もそんな感じの本と言えそうです。


なにせ、世界史から「特に10人のリーダーを挙げてみよ」というお題が出てきたら、

シーザー&アウグストゥスとか始皇帝とか、チンギス=ハンとかそんな「創業者」たちが並びそうではないですか。

でも実際にこの本が採り上げるのは、

モンゴルの侵略を打ち破ったアラブ世界の英雄譚の主人公バイバルスや、
中央アジアからインドに南下してティムール王朝を創始したバーブル、
改革自体には先見性があったものの根付かせることができず、その国(宋)も結局は亡びたためにその先見性が埋もれてしまった王安石、
英仏を中心にした諸王家の母(血脈的な意味で)アリエノール、

といった感じで、

最終章で「現代ヨーロッパに繋がるリーダーたち」としてのエリザベス1世、エカテリーナ2世、ナポレオン3世(今のイギリス、ロシア、フランスと直線で結ばれるべきリーダーたちですが、よく見たら1,2,3ですな。)が出てきて「やっと知ってる人が出てきた」と思うような意外な線を攻めてくるので、

先ずは、こいつは一体誰だ。で、どういう観点から「世界のベスト10に挙げられるほどの功績あるリーダー」としたのか、という興味をもって読み進めることができます。

この本では、特に
「最終結果(歴史に「勝者」として残れたか)」には必ずしも恵まれなかったかもしれないが、実はすごいことをやった、
という視点と、

今までの歴史学ではあまり研究が進んでいなかった中央アジア史が実は面白い!という紹介と、

10人中4人が女性、ということで「女性リーダーのロールモデル」を挙げようとすることに
重点が置かれているような。


歴史の最終結果には、本人の資質だけではどうにもならない「時の運」があるので、敗者(ナポレオン3世や王安石はある意味「亡国の原因となったリーダー」だしね)からも汲むべきものは取りいれる、という態度は、歴史を見る際の勉強になります。

歴史を「物語」として読むのも楽しいけど、「彼ら彼女らの生き様から、何か現代の日本の問題の解決へ、自分の今向き合っている問題へ、参考に出来るものはないか」と読むのも大事だよ、ということですね。


世界史の10人
文藝春秋
出口 治明

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本「全世界史」講義 全2巻
中学の時に単行本1巻で「中国の神話時代から現代まで」の歴史が書かれたものを読んだり、高校時代の世界史の時間に(ヨーロッパよりも先進的な地域だったからという理由で)「中世イスラム史」をたっぷり聴かされたり、20年くらい前に「10世紀から20世紀までの千年史を30世紀から俯瞰している」設定の歴史概略書を読んだり、大きな流れをざっと見る、みたいな歴史のお勉強をすることが多々あったのだけど、これはその系譜の読書。 ...続きを見る
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2017/02/09 00:01

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