トルコ至宝展に飾られるにはピカピカのお宝でないと?!

オスマントルコ帝国といえば、ヨーロッパ近代史を学ぶと打ち破られる側(ロシアとの度重なる戦争や、ナポレオンの遠征、第一次世界大戦の同盟国側)にたびたび現れるので、旧弊な帝国のイメージになりがちなのだけど、そもそもは東ローマ帝国を滅ぼして東ヨーロッパ・中近東地域に覇を唱えた強大な国家。その中心地トルコには華やかな宮廷文化が残る(ウィーンや長安なんかと同じやね)わけで、そのお宝が日本初来日というので観に行ってきました。


トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美(国立新美術館)

トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美(公式サイト)

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でもって、この展覧会はトルコ文化年2019のメインイベントの一つなので、トルコの皇帝(スルタン)はこんな素晴らしいお宝を持っていたばかりではなく、トルコ皇帝はこんな感じで日本文化にも興味を持っていた、というテーマも展示されている関係上、そのトルコ皇帝日本コレクションの形成にかかわる明治の日本人もちょこっと展示されていて、

関連記事:
本「明治の男子は、星の数ほど夢を見た。」 (2018/01/13)


その山田寅次郎さんについての講演会への出席&会期前半限定展示の

https://twitter.com/artnikkei/status/1110472424414298112
スルタン アブデュル・ハミト2世から明治天皇へ送られた《紫展鵞絨地花文刺繍卓被》(1890年、宮内庁三の丸尚蔵館)は紫色のビロード地に様々な太さや色調の金糸を用いた刺繍が見事です。

4/22(月)までの展示となりますので、お早めに #トルコ至宝展 (国立新美術館)にお越しください。
#トルコ展



が目当て。TVの「日本すごい番組」で何度も取り上げられることで多少は知名度も上がったエルトゥールル号遭難事件のことは知っていても、その来航したそもそもの目的「トルコ皇帝から明治天皇への返礼品を運ぶ」の、返礼品自体を見る機会はとても貴重。

そう、この「紫だけどほぼ黒に見える」ビロード地が完全に隠される勢いで金糸で刺繍が施されたこれを運んできた帰りにあの痛ましい事故が起きたのです。

期間限定だからか、会場内ではこれをエルトゥールル号が運んできた、という説明は一切付されておらず、気づくには難易度の高いお宝。なんか勿体ない。


なお、勿体ないといえば、会場順路の真ん中あたりで休憩所兼みたいな映像コーナーがあるのがこの新美術館のお約束みたいになっているのだけど、その紹介ビデオ(10分)の放映モニターが窓側にあるので、観る人にとって若干逆光気味で大変観づらい・・・展示主催者さん、何とかなりませんかね?


それはともかく、最後の部屋がトルコ宮殿が所蔵する日本の文物となって、若干モノトーンな品々になるものの、その前の「トルコのお宝!」コーナーは、世界的大帝国にふさわしい宝石と金の競演になります。

まぁ、金の兜などの金は金(Au)ではなくて真鍮とかですけど。宝剣の柄がエメラルドだったり、冠にダイヤだのルビーだのがちりばめられていたり、大変豪華です。
あと、チューリップが「国の花」みたいな位置づけ

チューリップはトルコ語で「ラ一レ(lale)」と言います。
オスマン・トルコ語の表記に使用されていたアラビア文字で、ラ一レの綴りの文字配列を変えると、イスラム教の神のアッラーという言葉になり、
さらにはアラビア文字で表記されたラ一レを語末から読むとトルコ国旗のシンボルでもある三日月(ヒラール)という言葉に変わるのです。

(公式サイトコラムより引用)

なので、皇帝のお召し物などにチューリップ柄があったり、宮殿を飾る大量のチューリップ専用花瓶(ヨーロッパの主なガラス産地の花瓶を網羅)があったりといったものを見ることが。
なお、このオスマンのチューリップ柄、17世紀、18世紀の品々なので、オランダのチューリップバブルよりも後になるのよね・・・オランダの品種改良も何か影響しているんだろうか?

この辺、豪華だなぁ、綺麗だなぁ、と見ていられるのですが、日本人的には相当数の人が引っかかる展示も。


それは中国の景徳鎮などのお皿を輸入して、飾り皿として飾っていたらしいのですが、残念ながら、青っぽい単色に文字が描いてあるような陶磁器の皿では、金や宝石に満たされるお宝と並べられるとちょっとシンプル。

ということで、トルコの宮殿にはそれらのお皿に飾りを付ける職人が・・・

お皿の表面や縁に、金の装飾を付してそこにルビーをはめ込む魔改造を。うん、きらびやかにはなったけどね。なんかトゲトゲ・・・


この話に関連して、山田寅次郎がエルトゥールル号遭難者の義捐金をもって訪問した際に、実家の家宝である甲冑と刀、関ヶ原合戦の絵図(甲冑はその折のもの、ということらしい)を謙譲したそうなのだが、普段のトルコでは博物館に刀だけが展示されていて甲冑は仕舞われているらしいという話が繋がる気が。

刀はどういう謂れの宝剣なのか、鮫皮や金などで装飾された金の刀なのだけど、甲冑はまぁ、普通の甲冑なので、金色の兜やあの魔改造皿のセンスからすると甲冑は華やかさが足りないと思われているのでは(適当な推測)。チューリップも色とりどりだものなぁ。


4月のイスタンブールはチューリップが街を彩っていて綺麗なのだとか。同じく桜が満開の日本でトルコで愛でられる花を楽しむのはいいですね。

おまけ:売店でトルコ紅茶とピスタチオチョコを買ってみた。どんなお味?
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トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美
会期:2019年3月20日(水)~5月20日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
開館時間:午前10時~午後6時(金・土曜日、4月26日(金)~5月5日(日)は午後8時まで。)
※入場は閉館の30分前まで

休館日:毎週火曜日 ※ただし4月30日(火)は開館

巡回展:京都国立近代美術館 2019年6月14日(金)~7月28日(日)

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