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zoom RSS 本「元素をめぐる美と驚き」

<<   作成日時 : 2017/10/14 22:35   >>

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2017年度のノーベル賞関連本を多数輩出した由緒ある早川書房の文庫本。鉱物の本?という感じですが、元素なので、気体のもの(アルゴンとかネオンとか)、液体のもの(これは水銀くらいか)、固体(金属、放射性物質はほぼこの形態)はいろいろと取り扱います。「アステカの黄金からゴッホの絵の具まで」という謎の副題が付いていたから、いったい何だ?というところでしょうか。

あっさり説明するならば、「元素」を切り口にした化学の成果を紹介する本、エッセイ集でしょうか。

例えば、水銀(元素番号80、以下数字は同じ意味)の章。ジャン・コクトーの映画のワンシーンを撮影するために用いられた水銀から始まり、始皇帝が常服し、また始皇帝陵にジオラマのように埋められた水銀の河川と海の存在から永遠性について触れ、スペインの現代美術作品と、カナダの天体望遠鏡に使われる「水銀によって創り出すことのできる鏡面」に言及し、錬金術における水銀の地位と、それを現代に再現する実験を行うために、古い温度計と電池という手近なものから水銀が手に入ることと、あらゆる事象が出てくる。

プルトニウム(94)なんて、普通手に入らないだろ?(ホメオパシーのラインナップにはあるらしいが)という元素や、同じく放射性元素だが、もう少しそこいらじゅうに出回ったラジウム(88)(原発事故の後に、都内で適当に埋められてたのが見つかるくらいにはありふれてる)、世界最初の毒ガスについての話が主題になる塩素(17)から、宣伝の代名詞ともなったネオン(10)、ユーロ札の印刷に使われているらしいユウロピウム(63)をめぐる話。

もうちょっと有り難そうな、金(79)、銀(47)、プラチナ(78)、鉄(26)もそういう系統の話だったけど、銅(29)はその使われ方の汎用性から「青銅文明から銅線に繋がって現代の通信革命に結び付く文明史」になり、

カドミウム(48)は、印象派絵画の頃に出てきた「鮮明な色の絵の具」の原材料として扱われ、その毒性からイタイイタイ病へ繋がり、それらの絵の具が使用禁止になる(とゴッホの絵の修復は、大本の色を再現できないことになる)経緯、

毒殺の定番ヒ素(33)で、ナポレオンの髪の毛に含まれるヒ素とやらは本当に毒殺説の証拠足り得るのか、という研究が引用され、

希土類を用いたガス灯の灯りが、マーラーの交響曲の中に「ウルリヒト」という楽曲として反映され、

さらには、元素発見に大きな足跡を持つスウェーデンの化学についての埋もれた歴史に、元素記号の発明(300年前の出来事)と、元素にまつわるあれこれがいっぱい。


すいへいりーべ僕のふね…で丸暗記するとたった一文字になってしまう単語のものは、実際に身の回りのどこかにある何かであって、私たちの生活をどのように豊かにしてきたかがわかる一冊(上下2巻だけど)です。

久しぶりに周期表を見たくなったなぁー、という方は、文部科学省謹製の「一家に一枚シリーズ」の一番下にある元素周期表をぜひどうぞ。

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