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zoom RSS 本「組織サバイバルの教科書 韓非子」

<<   作成日時 : 2016/09/19 10:47   >>

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皆が読む中国の古典といえば何と言っても「論語」で、ビジネスマンは戦略を学べとかで「孫子」、世の中に疲れた人たちの愛読書(?)「老子」、の3つくらいが標準的なところかと思うのですが、参謀業務を行っている私みたいなのにお薦めとなるとこの「韓非子」になります。


以前、別の本を読んで感想書いたときに、

本「右手に『論語』左手に『韓非子』」(2008/07/09)

事業をするなら機密を漏らすな、先人の知恵に学び、わずかな兆候にも気を配り、些細なことで事業が崩れるのを防げ、といった類は私の今の仕事に繋がってくるんですよね

と書いたとおり、コンプライアンスとかいう面倒な仕組みに携わる者は「法家思想」の継承者みたいなものです。その韓非子について、なんと378ページもある大著で解説された本が出てきたので読んでみました。


法家思想といえば、

一般的には性悪説を基盤にした統治システムの訓えと言われ、例外なく信賞必罰を徹底することを重視し、君主が家臣を信じない仕組み、

とでもまとめられそうなのですが、そんな相互不信の枠組みで常に闘いあうような世界は、ある意味現代世界にも通じるため、その処世と生き延び方は別に私のような仕事をしているわけでなくても、参考になるといえそうです。


1対多が闘いあう殺伐とした世界での生き残り方といえば孫子ですが、

本「最高の戦略教科書 孫子」(2014/04/03 22:27)


これはどちらかというと、「一つのコミュニティ単位(国とか会社とか)で乱世を生き抜く法」。

韓非子は、その「乱世の中で生き延びようとする組織の中で個人(トップであると配下であるとを問わない)が生き残る法」の本と言えばいいのではないかな、と。


書かれた趣旨としては「家臣に実権を奪われたりしないよう君主がしっかり国を統治するための方法論」の本であるため、


「そもそも人間は、恩知らずで、むら気で、猫かぶりの偽善者で、身の危険を振り払おうとし、欲得には目がないものだと。(君主論 第15章)」とか言い出す

本「君主論」(2010/12/09)


と共通するものがあると思うのですが、韓非子も君主論も、「君主はこういう手を使ってくるから、逆手に取れば配下側の生き残り戦術に使える」という風に読むことで、役にたてられるというわけ。


特に、何か間違いがなされていれば目上といえども「物言う」、ことが求められる業務をするとなると、

組織内でそれなりの力を自ら持たないと「刺し違える覚悟がない限りは長い物には巻かれるしかなくなってお役目を果たせない」、「上の言うまま使われるしかない、場合によっては使い潰される」という不本意な結果にしかならないので、そのために、「お役目を果たせるだけの力」を手に入れないといけなくなります。

もちろん、韓非子で警戒されている「君主の権力に従わない存在」になれ、という意味なので、

その者が取るべき策は、韓非子で「臣下はこういう風に君主の権力を奪おうとするから気を付けろ」と書かれていることを逆に行うだけ。

つまりは、法律や規制、業界のルールや、マスコミ圧力などの外部権威、改革しないとマズイというトップの危機感などの後ろ盾、もしくは組織内の情報を握る、などといった手を臨機応変に組み合わせていけ、ということ。さすがに君主と同じ趣味などを持ってお気に入りになる方向性は使えないけど。

もちろん、これを私欲のために我がものとするのはただの奸臣で、「会社の良心の最後の砦」になるためにしかその権力を行使しない、という矜持が必要になるわけですが。


例えば私が事業部門内でスタッフ業務を行うに当たっては、

先ず、法律などのルールに詳しいというだけの立場から始まって、

部門内の相談に応じ続けることで様々な情報に詳しくなり、

私が絶対にダメといったら、誰にもそれを突破して回す方法を思いつけない状態にした結果、

私の人事権を持っている人に対しても「ダメなものはダメだからやらない」と言えて、やっとお役目が果たせる状態になっている、という話。


当然、最初のうちは自分に権力がないので、
「私が言っていることが正しいことを上に納得させる説得力」とか、
「多少の無茶振りや管轄外のことも、『将来のための情報収集』と割り切って応じる気の持ちよう」とか、
「こっちの言うことをきかず、痛い目に遭うだろうというこちらの予言が成就した場合にフォローしてあげる」とかいった地道な活動が必要になるのですが、それを自分に対して誰も手出しできない状態になるまで積み重ねられるかがポイント、でしょうか。


ちなみに、最初のとっかかりである「上に納得させる説得力」が、2千年前でも大変なことだったということは、

本書の
・説得は難しい@相手の心のうちを知る(P229)
・説得は難しいA竜のノドもとに生えた「逆鱗」(P233)

のところで、よーく分かるので、ご同業の皆さんもその辺だけでも読むのをお薦め。



社員の生き残り方として、

上に書いたような「この組織の内情に詳しくなることで『去られると困る』となって内部で権力を握る」やり方と、

「どこに行っても通用する能力を磨いて、(好きなときに転職できるが)『有用なので手放せない』と引き止められることで権力を得る」やり方があると思うのだけど、


そこは、自分はどれだけの自由が欲しいのか、で選べばよく、そのためには、日本人なら放っておいても周囲の空気から刷り込まれる論語的価値観とは別に、ある程度ドライに割り切る韓非子的価値観を混ぜておくのがいいだろう、ということかと。


今は「つけ込める相手には徹底的に」な状況が強まっているので、

韓非の人間観・・・「人は状況の申し子である」(性弱説)を認識して、


相手を信用はするけれども、裏切られたときの保険はかけておく(P201)

をいつも心にとどめておかないと危ないよね、ということでしょうか。時勢とはいえ、嫌な話ではありますが。



組織サバイバルの教科書 韓非子
日本経済新聞出版社
守屋 淳


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