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zoom RSS ミュージカル「愛国狂想曲『我らが闘争』」を見に行った

<<   作成日時 : 2016/02/24 22:30   >>

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私の友人が入っているミュージカル劇団の公演を見に行くのもそろそろ20回ほどにもなりそうですが、一貫した物語ではないオムニバス劇を演じたのは初めて?以前、「三文オペラ」を日本を舞台に移したように、ブレヒトの「第三帝国の恐怖と悲惨」を持ってきました。

劇団Tomorrow

第10回公演「愛国狂想曲『我らが闘争』」

画像



「我らが闘争」というタイトルは間違いなく、ドイツ第三帝国のヒトラー総統の著作が元ネタでしょうが、問題は、闘争している「我ら」って誰?何との闘争を指している?になりそう。

全てのリソースを対外戦争につぎ込む総力戦を戦う全体主義国家、アジアの「ジャッポ国」では、

不眠症気味の皇帝陛下(この点は元ネタ通りか?)が治め、陸海軍首脳と大臣たちから、国民の支持と敬愛篤いと聞かされて、戦争を遂行しているが、その国民たちの生活の実相は・・・


ということで、
密告が横行し疑心暗鬼の隣近所、
学校における軍事教練での教官の理不尽な扱い、
政府へ不満を持つことへの漏れなき弾圧、
乏しい配給、
政府の禁止事項をかいくぐるための下々の知恵、
「敵性国人」との結婚の破綻、
「事故死」した兵士や不平分子の遺体を迎える遺族、
生産強化のためのプロバガンダ放送、

などが関連性もなく1場面ずつ描写されて、どんどん進んでいく筋になります。で、部分的に、かつての日本の出来事に近づけるべく改変したらしいお話(特攻隊の出撃前夜に兵士からお礼をもらう地元の少女)もあるものの、国際結婚の話は「ユ○ヤ人」の話が比較的そのままだよなぁ・・・と透けて見えるのもあり、アレンジ度合には少し差があるようです。


元ネタになったお話が、フィクションとはいえ、「今、あの秘密のベールに覆われた国家の中ではこんなおぞましいことが!」という、内部告発ものドキュメンタリーみたいな話で、その舞台を移したであろう1930年台の日本も似たような(憲兵による体制維持、長い戦時体制、若い男は兵にとられ、生産性の落ちた銃後)世界であるために、基本的には重苦しい雰囲気です。今の時代における「北朝鮮潜入ルポ」を見ているような感覚でしょうか。


個人的には、ドイツも日本も「上から弾圧されて民が無理やり戦争に叩きこまれた国」だったのか、というのには疑問があって、前段階では「(都合の悪い事実を知らされていないという前提があるものの)下々も積極的に参加した側面がある」と思うので、ちょっと「我々は国にこんなひどい目に遭わされた!(末期は確かにそんな感じになるだろうが)」ばかりになると、それはそれで鼻白むところはあるのだけど、それについては後でフォローが。


で、重苦しい話ではあるのだけど、歌と踊り自体はお話の合間合間に挟まって、それを緩和する役に立っているイメージ。この劇団ではよく起きる「お話の中心軸の会話をしているメンバーの周辺で別の人たちがちょこまかと笑いを取る動きをする」演技も健在で、プロバガンダ放送の機材スタッフさんとかは頑張っていた印象。あの話自体が他と異質なコメディパートだから目立ったのかもしれませんが。


とまぁ、「滅びる寸前の国の民が暮らす悲惨な生活」を延々と描写する理由は、ただオムニバス最後のお話「国民投票」でひっくり返すため。

もはや反政府運動も出来ないほど弱体化した組織が、それでも国のやり方に物申すか、を考えて導き出す結論が

「とにかく『No』と一度言って、立ち止まって考えるように訴えようよ」

聴き手に都合のいいことだけを信じるようなことをせず、相手の意見が気に入らないからといって拒絶せず、無言で流されるわけでもなく、話が突き進んでいかないように、何でも聞いたことにいったんNoと言って、それがどうなのか考えようよ、自分はこれがやりたかったのか、他に道はどこにもないのか、やり直しは出来ないのか・・・


仕方がない、どうしようもない、言っても無駄・・・本当?思考停止だっただけじゃない?結果を考えなかっただけじゃない?物事を反対側から見て検討するために立ち止まって考えることは大事だよ、というメッセージに収れんしてまとめてきました。


途中まで観てて、どう終えるつもりなのかと思っていたから、このやり方で「未来に希望が残る」終わりなのは個人的に高評価。ただまぁ、現代史オタクの私はどうしても中身の方に入り込んでしまって、オムニバスの単体のお話やら演技やら演出に目が行き届かなかったのはちょっと残念。いろいろと面白そうなこともやっていたのだけど・・・



この劇団の過去作品感想へのリンク

ミュージカル「フィガロの結婚」を観てきた(2013/01/29)

ミュージカル「ブルーマンデーブルース」を見に行った(2012/02/22)

ミュージカル「もう一つの絵本の先に」を見に行ってきた(2011/03/08)

ミュージカル「三文オペラ in Japan」を見に行った(2010/02/23)

ミュージカル「進女類」に行ってきた。(2009/03/17)

ミュージカル「2つの肖像」(2008/03/21)

ミュージカル「アリーテ」に行ってきました(2007/03/11)

演劇「リューシストラテー・この町で」(2006/02/05)

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