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zoom RSS 本「天災から日本史を読みなおす」

<<   作成日時 : 2015/09/07 22:38   >>

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先日紹介した、「絵図で読み解く天災の日本史」 と対になる新書。こちらは「歴史資料に現れる災害の記録」の紹介と、そこから読み取っておいた方が良いことに主眼が置かれています。

この本は、

(磯田道史の備える歴史学)命守る歴史災害史(朝日新聞デジタル リンクは最終回へのもの 会員登録要)

で連載されていたコラムの書籍化、ということのようで、「天災」と括っているために、地震(安政江戸大地震)や、噴火(富士の宝永噴火)なども採り上げているものの、メインは津波災害。

「次」として想定される東海・東南海・南海地震は、「津波地震」になる可能性が高いために、自分の居る場所がどれくらい津波の危険があるところなのか、現在のハザードマップと違う視点で、かつての人たちが綴った過去の災害体験記からどう読み取れるのかに多くの紙幅を割いているように見えます。

やはりというか作者がこの分野の調査をした動機が、本人の母親が昭和南海地震の津波で九死に一生を得たことにあるようなので(第5章冒頭)、次の被害者を減らしたい想いが強いのかもしれません。


だから「日本史を読みなおす」というよりも、「日本史(東日本大震災の体験談も含む)の中から災害への対処法のヒントを学ぶ」だという気が。

例えば、こんな教訓。

とにかくすぐに逃げろ、
高台に向かって真っすぐ(道沿いではなく、まっすぐ高台に向かうために崖を登る、フェンスを越えるなども重要)逃げろ、
ひとたび避難行動に入ったら何があっても戻るな、
一度津波が去ったくらいで「終わった」と思うな、
子どもは抱っこ、おんぶでの避難は危険、
古い地名はその地の災害の記憶を宿している場合がある、
高潮・津波常襲地域に滞在するときはその地の古い神社の場所を把握せよ・・・


最後の二つは、

先日の広島の土砂災害の被災地が、再開発前は土砂崩れの起こりやすい場所を示す地名だったことで有名になり、こんな記事になったり、

災害の記憶をいまに伝える 日本全国「あぶない地名」 この漢字が入っていたら要注意!(一覧表付き)(現代ビジネス)


東日本大震災のあの津波は、各地の神社などを結ぶ線で止まっている(かつての人は神社まで逃げれば助かるという意味も込めて神社を建てた?)という話、

東日本大震災における神社の津波被害 現地調査報告(日本災害情報学会第14回研究発表大会資料 PDF)

などでも知られてきましたけど。


で、「日本史を読みなおす」方にも言及しているかな、と思うのは「災害がその時の出来事に及ぼした影響」という視点。

小牧長久手の戦いで一度はこう着した豊臣と徳川の関係に決着をつけるべく大規模侵攻を企図した豊臣側の戦争準備を一気に無にしてしまった天正大地震や、

文禄の役後の後始末段階で発生した伏見地震で被害を受け、その後の舵とりに失敗したため人心を失う豊臣政権、

後に強大な洋式軍隊をもって薩長土肥として討幕連合の一角を占めるに至る鍋島藩が、かつて、シーボルト台風により領内が高潮被害で壊滅していて、欧州列強からの国防目的もあるものの、西洋科学の採りいれに熱心だった裏には災害復興を急いでいた事情もあるとか、

他の国の歴史に比べても、「その時に起きたあの地震が」人の紡ぐ歴史に与えた影響が大きいのだな、というのも教えてくれます。


雑学風な話として、

正確な時計がない時代の人たちが、いったいどうやって「地震の発生時刻」を記録したのか、

江戸時代の人は、地震の時の行動の目安「震度」をどうやって判断していたか、

地震の前兆現象として広く知られていた井戸の異常とは、

大きな松林は津波の被害防止に有用なのか、もっと良い方法があったりしないのか、

といった話も出てきます。気になる方は是非ともご確認を。



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