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zoom RSS 本「知恵の戦い」

<<   作成日時 : 2015/06/08 22:34   >>

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兵法書「孫子」の最終章は「用間篇」といって戦いを行うに当たって必要な情報の収集・スパイの扱いについて書かれているが、それとの比較で現代のスパイ戦についての本を漁っていたら古典として挙がっていたので、ちょっと古本を探してきました。



知恵の戦い (文庫版スパイ戦史シリーズ (10))
朝日ソノラマ
L.ファラゴー


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何と初版は昭和31年。

かつて、朝日ソノラマという出版社が出していた、第二次大戦を中心にした戦争記録(従軍者の手記とか)を文庫にした数百冊にも及ぶシリーズがあって、その中の「スパイ戦シリーズ」と銘打たれた中の1冊(出版社がなくなったため現在は絶版)。


この本でも、

孫子の「名君賢将動いて人に勝ち、成功衆に出づる所以のものは先知なり」が引用されている(P143)とおり、現代でも先に相手の意図を割り出した側が先手を打てるので勝てる、ということを前提に、

いかなる手段を用いて、相手の意図を探ろうとしているのかを、

第二次世界大戦時に、アメリカの情報機関に所属し、英国の情報機関との連絡役を務めながら情報活動の様々な面に触れた筆者が、戦後、枢軸・連合国側のスパイ戦の内幕を、

組織、リクルート、教育、から各種の秘密活動(いわゆる情報を盗み出すことから、それを味方のところまで運んでくること、情報を評価して作戦に活かすことや、敵地でのサボタージュや破壊活動、自国で暗躍する敵スパイ対策など)を、どのようにやっているかを網羅的に記載した珍しい本です。


CIAか何かが舞台の小説とかを読むと、すぐに「情報収集(いわゆるスパイが活躍する世界から、地味な通信傍受など一次データを集めてくるところ)」と「情報評価(集まった情報をふるいにかけて、適切な解釈を加えるところ)」という両輪があって、その両方がきちんと機能してはじめて「敵を知り」が成立する−でもって、その両輪がちゃんと機能しないところで生じるドラマがストーリーの肝になる−というのが分かるのですが、

どのように体制を構築し、いかなる人物を配して、どう活動させるとよいか、という話を、第二次世界大戦の連合・枢軸でのエピソードに照らして書いている、というのがこの本の骨子になります。情報評価を誤る例、せっかく集めた情報が役に立たない例、見当違いのものを一生懸命探す例とともに、上手くいった例や、「ここで提言されてたこれがあの時あれば」的な話も。



孫子によれば、

郷間 敵の領民(敵方の不平分子、忠誠心の低い者、もしくは上手いこと我々を敵方の味方と騙すことに成功した相手)
内間 敵の役人(同上)
反間 敵のスパイ(寝返らせることに成功した味方勢力圏に送り込まれた敵方の「死間」or「生間」)
死間 破壊工作員(帰ってこれない可能性を承知で敵勢力圏で破壊工作をする味方)
生間 スパイ(敵勢力圏に送り込んで情報を味方側に持ち帰る任務を帯びた味方)

スパイ戦争全体では、上記の5種類の人たちを使って、敵方の状況を探りだし、また味方の情報を相手に悟られないようにする(もっと積極的に偽情報を掴ませることも含む)手立てを講じる必要があって、そのために資金や人物処遇を優先的に投入し、前線で戦うことよりも重視する姿勢が必要、

ということなのだけど、この本は、生間がカバーしていた任務(生間自身の情報活動と郷間、内間の徴募?)に焦点を絞って、その現代組織への組み込みと出てきた成果の活かし方を扱っているというところでしょうか。


いわゆるスパイの活動とかの話で良く出てくる、

「どこかの国の情報を集めようと思うならば、そこで発行される『誰でも手に入れられるようなもの』を全部突き合わせるだけで、ほとんどの情報を入手することができる」

の元ネタと思われる、

密かに進められていた再軍備中のドイツ軍の編成情報がすっぱ抜かれ、それを割り出した人にどうやって知ったか問いただしたところ、新聞に載っていた様々な情報だけで出来ていて、漏洩とかは無かったというエピソード(P65)とか、


007シリーズとかの小説で英国の情報機関の組織や仕事内容がバンバン紹介されている背後に、

情報機関の存在、活動方法、必要性を全く知らされていない大衆に、機関に必要な援助を期待することはできないという信念に基づく広報活動を行っている英国政府の方針がある(P148)とか、


真珠湾攻撃直前の日本で、陸軍の兵士に海軍の軍服を着せて銀座などを歩かせて、アメリカ側の諜報組織に「日本国内に海軍軍人がいっぱい歩いている=軍艦は日本国内にいてどこかに出撃したりはしていない」と誤認させる謀略が行われていたとか、

第二次世界大戦の歴史エピソード集としても面白いかな、と。



この本で初めて見た、スパイ活動手引書の抜粋(P188)なんてのまであったけど、さて、スパイ組織にいた本職が書く「スパイはこんな風に仕事をやっている」本は、どこまで真実が書いてあるのでしょうかね?

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