いーわん情報源 たまには日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 本「あの戦争と日本人」

<<   作成日時 : 2014/08/14 22:29   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

夏になると読み始める第二次世界大戦本ということで、今年は、八紘一宇や鬼畜米英、特攻隊などについて自らの調べたところを語るこの本を読んでみました。

以前書いた、

戦争を考える本特集(2012/08/15)

に出てくる「日本の一番長い日」、「日本の一番長い夏」の取りまとめ人でもある半藤一利さんが、第二次世界大戦のアジア・太平洋戦線の戦いについて、「あれは一体なんだったのか」語ったものを書き起こした本です。


わざわざ「第二次世界大戦のアジア・太平洋戦線の戦い」と書いたのは、本のタイトルが「あの戦争」であって固有名詞が無いことに意味があったということがあとがきに示されていたから。

太平洋戦争=アメリカとの主に洋上・島嶼部の戦いに主眼を置く言い方(自虐史観批判派はこの名称にかみつくらしい)

大東亜戦争=旧来の帝国の「正義」に主眼を置く言い方

などに与せず、ある程度距離を置いた立ち位置を取るには、その戦争の呼び方にまで気を使わないといけない、ということに先ず驚きます。


で、日露戦争で勝ってしまったために、薄氷を割らずにギリギリで掴んだ和平であることを忘れて(当時、その辺の事情をきちんと書いている資料は作られ、遺されているが、一般に流布していない)、夜郎自大になった昭和期日本人が破滅に突き進む様を、

その前時代史である明治に埋め込まれた爆弾(統帥権制度、日露戦争の勝利の影響)から、

七生報国(楠木正成の元の言葉とこれは違う)やら

八紘一宇(日本書記の中に原典があるが、これが昭和の国策思想になったのはどういう経緯に基づくか)、

鬼畜米英(ほんの数年前まで日英同盟があった、米国の文化−映画とかカフェーとか−は開戦時まで親しまれていたのに、誰がこんなことを言い出したのか)、

戦艦大和に繋がる大艦巨砲・艦隊決戦主義、

戦場の禁じ手自殺兵器(特攻隊)を巡るあれこれ、

そして、原子爆弾と終戦への流れと昭和天皇

を切り口(おまけで、世論を煽ることが商売になってしまうマスコミについても)に、語り下ろしています。



今はどうしても「自分たちが悪いばかりでは『ないはずだ』」ということで、当時の日本人の非道(特攻に美化すべき点はなく、同輩をそうやって殺せる段階で、その戦争に正義も何もない。捕虜の虐待について、「自分たちも同じ環境で過ごしていて、ことさら『虐待』したつもりはない」とか言っても、された側がそう受け取れるほどの悪環境だったのなら、それはどうにも言い逃れできない)を語り継ぐことへの心理的な反発が大きくなっていて、


消される戦争の跡 「説明板、突然の撤去」体験者ら危機感(東京新聞)

 太平洋戦争末期、奈良県天理市に造成された「大和海軍航空隊大和基地(通称・柳本飛行場)」。同市は跡地に一九九五年に設置した説明板を今年四月、撤去した。朝鮮人労働者や慰安所の女性が強制連行されたという記述に「根拠がない」などとして市に抗議の声が寄せられていた。並河健市長は「国全体で議論されている中、市の公式見解と受け止められるのは適当でない」と文書で見解を出した。

といった動きにもなっているようだけど、


今と違って希少なエリートであった大学生を戦場に送り(そのまま特攻隊とかにも)、小学生・中学生に教育を施さずに工場で働かせてまで戦争をしていた日本が、その体制を維持するために綺麗な統治をしているはずがなく、闇は闇としてあるはずで、終戦時に焼却され、当時の人の記憶ですら「糊塗されている」可能性の中で、少し離れた視点からある程度信頼性のある資料を元に「あの時何があったのか」は見続けていかないといけないかな、と。

その意味では、フィクションで歴史を読むのではなく、ちゃんと書き残されたものを読むべきなのだけど、当事者たちの本も絶版とかで見つからなくなっていくのですよね。


で、この本から出てくるのは、

「ある程度の扇動で熱狂的に操れる日本人」の流れに巻き込まれない、

熱狂に犯されないように民衆は民衆なりに、指導者は当然のこと、もっと冷静に自分たちの実力をわきまえる必要があり、それが失われたときに戦争になることをよく覚えておいて欲しいということ。


明治の栄光だけを後光に背負った人たちが、昭和の指導者となったわけです。彼らは進むことだけ知って、停まって考えることをまったくしなかった。(P369)

は、軍事(日本帝国の海軍は確か発足から壊滅まで大体70年である)でなく、戦後70年の間に経済の分野で再び繰り返されてるとしか思えない状況だけど、

何だってまた、こんなに反省が苦手(面白くないから嫌なのは私もよーく分かってるけど)なのかねぇ。



あの戦争と日本人 (文春文庫)
文藝春秋
2013-07-10
半藤 一利

Amazonアソシエイト by あの戦争と日本人 (文春文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
本「あの戦争と日本人」 いーわん情報源 たまには日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる