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zoom RSS 本「増補 スペースシャトルの落日(文庫版)」

<<   作成日時 : 2013/12/31 12:09   >>

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スペースシャトルという「再利用可能な飛行機型宇宙船」は別に素晴らしいコンセプトのものではなく、宇宙開発の発展のための最善の手ではなかった!その失敗をよく咀嚼して、次の宇宙開発で同じ失敗に陥らないようにしよう!という本。実は「落日」というタイトルから、「事故を経て退役(2011年に最終飛行)に向かう経緯」か何かを書いている本かと思っていたのですが、全然違っていました。

この本の単行本が出たのが2005年で、今後の宇宙開発について書かれた後半部分が全面加筆された文庫版が出たのが2010年。残念ながら絶版らしいので、本屋さんの店頭にあるのを見つけられなければ後は古本でしか入手できない本ですが、「何で、スペースシャトル時代に人類の宇宙進出は進まなかったのだろう」みたいな疑問を持ったことがある人にお薦めと言えそうです。


個人的には、綺麗な星空をあまり見たことのない私が、宇宙への関心を持ったきっかけは、間違いなくアポロではなくスペースシャトル。アポロも終わり、スカイラブも落下(ソ連側の宇宙開発はよく知らん)した後の時代に子供時代を送っているので、宇宙へ行くロケットへのワクワク感というものは、スペースシャトル初打ち上げ!!!の時に初めて味わいました。

そこでは、飛行機みたいな宇宙船が、垂直に打ち上げられ、空港みたいなところに飛行機のように着陸する。

アポロのように小さくないので、たくさんの人や荷物を積めて、これから、アポロ後に停滞した「宇宙へ行く」ことがもっと身近になる。

といった説明があって、これは私も生きているうちに宇宙に行ったり出来るかな、と思ったのですが、それから30年、結局、人類は宇宙ステーションがある地上から数百キロのレベルを出ることはなく、私の世代は宇宙に行ったり働いたりすることはなさそうだな・・・ということに。


この本によれば、そもそもスペースシャトルは、「アポロ計画を経て肥大化したアメリカの航空宇宙産業を食わせるための公共事業」であって、「技術的に最善」だけを追求して作られたものではない。そのことの矛盾が、様々なパーツを組み合わせた(使い捨てと再利用が混在する)ロケットシステムと、その運用・整備に現れていて、2度の機体損失に繋がっている。

その「何が悪かったか」をちゃんと解明して、次の宇宙開発に役立てよう、という内容になっていますが、


理屈は簡単で、

○様々な要望全部に応えられる万能性を追求すると、結局どの目的にもちょっと性能不足の代物になる

○安い、使いやすい、壊れない(壊れにくい)機械になるようにコンセプトを整理しないまま開発をしている

○問題がある(例えば新コンセプトのロケットだと宇宙へ行く推力が出ないので、別のロケットの助けが要る)ときに、ゼロクリアでコンセプトを見直したり、大きく方向転換するということが(主に政治的な理由で)できない

といった話で、まぁ、宇宙開発に限った話でもないどころか、その辺でもスペースシャトルほどの規模のプロジェクトではないかもしれないけれど起きているかもしれない話。


宇宙という人類にとって危険極まりない環境を相手にするに当たって、地球上の理屈で縛りを入れると、問題が生じるということなのかなぁ、と。


結局のところ、修正されたコンセプトを導入した、民間の力を国がバックアップする形で進める新しい宇宙開発の型が現れつつあるところを描写して文庫版は終わるのだけど、

民間ロケットも大気圏の一番上(高度100km)まで行くところに留まっているので、人類が宇宙に何千人、何万人も働いて、資源開発やモノづくりをするような時代が来るのは2,3世代ほど後になるのかなぁ。

生きている間に見てみたかったです。



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本「恐るべき旅路 −火星探査機「のぞみ」のたどった12年」
昨年末にスペースシャトルの本を読んでいたときに、同じ著者が日本の宇宙開発について書いた本がちょうど復刊される運びになったという情報を得て、思わず衝動買いした本。ロケットを打ち上げた!探査機が何した!成功した!失敗した!という話の裏側のことはほとんど知らないので、それを知るには「最終的に目的を達成しなかったプロジェクト」を題材にしたこれはいい本です。 ...続きを見る
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2014/03/28 23:23

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