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zoom RSS 本:渋沢栄一「論語と算盤」と現代の経営

<<   作成日時 : 2013/08/02 21:50   >>

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昨年、「戦略×会計」でお話を伺った守屋さんが、論語を活かす現代経営者へ「信用」について訊きに行く本を出したので読んでみました。

でもってこの本が、 「論語」と現代の経営 ではなくて、「論語と算盤」と現代の経営 なのは、これが、

渋沢栄一記念財団の機関誌のインタビュー記事の書籍化だから。


正直なところ、「論語」は身を処す本であって成功法則ではないので、もし論語と現代経営というテーマだともっと「経営者は人格者たれ」的な説教話になりそうな気がするものの、

そうではなく、渋沢栄一による解釈本とでもいうべき「論語と算盤」を種本にしているので、論語の「信」と資本主義経済の「信用」の関係を軸にした「経営で失敗しないための視座の手に入れ方」みたいな本になったかな、という風に見えます。


具体的にお話を伺ったのは、12人の経営者。銀行の方が多い気がするのは、やはり日本の再生には金融機関の「資金循環機能」が再生しないとどうにもならない、という問題認識があるからなのでしょうかね。

なので、個別のインタビュー単位で観ると、個々の企業経営または個人のビジネスのやり方における古典(論語に限らない)の影響もしくは取り入れ方についても語られていますが、

全体を通すと、主に、

・金融機能を担う銀行等が有していたはずの「信用」がバブルを契機にどういう風に失われたか、その「信用」を取り戻すにはどうしたらいいか

・次代を担う、もしくは地域社会の中核になる「人」をどう育て、伸ばすか

の2つがテーマになっているようにも見えます。


私なりにざっくりまとめると、

競争社会、弱肉強食、出し抜いてでも、が全てになっては「最大幸福社会」はできない。
社会のために何をすべきかを常に自問自答し、やっていく存在がかじ取りをした組織が基盤となり中核になって、社会を形作らないと「成長」や「発展」に向けた方向性のエネルギーが出てこない。

そのためには、「算盤(資本主義経済理論−特に短期的利益を重視する考え方−)」ばかりを振りかざさず、「論語(一人ひとりが良き構成員たれば、その社会はインフラコストのかからない良い社会になる−長期的な視点での安定性を重視する考え方−)」をもちゃんと頭に入れて動くべき。

算盤ばかりになって崩れたバランスを、論語側に倒して新しい均衡点を作り、新しい社会発展の礎にしていくため、皆が考えましょう、というところですかね。


個人的に面白かったのは、和田洋一さんとの対談に出てくる「ガバナンスの話」。

それは私が、いわゆる「コンプライアンス」系の仕事をしているからなのだけど、職務上の私はとにかく「性悪説」。

たくさんの人がいる組織になればなるほど全員を教えてちゃんとさせるよりも、
「これはやってはダメ、自分で決めないで誰それの承認を取らないとダメ・・・」でかつ「勝手にやってはダメ、ある基準に照らしてOKかNGかを選別せよ」にする方が楽であって、その「基準」についてコントロールするのが「効率的」という考え方になりやすい。

でも、実際にそんなことをしていると、構成員たちは「無責任体質」、「自分で考えない」になっていくので、リスクは逆に増大する傾向がある。

その対抗策として、本当に行うべきは、「信じて任せる、でもダメだったら替える」というお話は腑に落ちるな、と。

比較的よく起きているのは「何も考えないで任せる(丸投げ)、で、(やってもらっていることをやらせている側がよく分かっていないので)それが上手くいってなくても替えられない」ですけどね。


子曰く 過ちて改めざる 是を過ちという(衛霊公篇)

これでもどこかに貼りだしておくかな。


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