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zoom RSS 本「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」

<<   作成日時 : 2013/04/16 22:31   >>

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日本の歴代総理大臣から名宰相を選ぶ、みたいな企画があると、まずベスト5圏内は間違いない人物(単純に現代人が「戦前の歴代首相とその事績」を知らなさすぎることも影響している気はするが)。敗戦直後に長期政権を維持し、日本の独立を回復するサンフランシスコ講和条約の全権代表を務めた現代史の巨人ですが、時代が近すぎるために、歴史の授業とかで習うということはありません。講和締結までの伝記が出版されていたので、読んでみることにしました。


文庫で二分冊になるこの本は、

生まれから、外務官僚として過ごしながら、対英米戦争に反対し、戦時中は憲兵に引っ張られるなどの処遇を受けた前半生が上巻。戦後、総理大臣に就任し、新しい日本の体制作りと独立回復を成し遂げるまでが下巻、という構成になっています。

その後、子飼いを中心にした吉田派と戦前からの政治家の流れをくむ鳩山派との政争が続く晩年は、私がこの本の目的であると認識した「主流意見や衆愚におもねらず、自らの信念で国をデザインし、それを実現する政治家像の提示」にそぐわないのでばっさり切った、という感じですかね。


本「白洲次郎 占領を背負った男」(2010/02/11)

の時にも書いている通り、昭和20年代というのは私の2人の祖父の現役時代で、それに関係して多少の記録もあるので、この本の感想的なものは非常に書きにくいのですが、

戦後総決算的な話をしたがる政治家たちが出てきている以上、

飯倉の外交史料館で「サンフランシスコ講和への道」を実施中(2012/08/25)

で書いた、
今の日本の立脚点が何で、どういう状況の下に成立していて、その前提の何が崩れていて、何が残っているのか、くらいは押さえてから次のことに関する意見を持つべきだと思うのです。

の一環として、

「あの戦争に抗う」というのはどういうことだったのか、

日本の復興に際して、どのような状況があって、何を守るためにどのようなことが行われたのか、

理想と現実のバランスにどのような折り合いをつけていたのか、

を、当時の総理大臣の視点から見てみることができる本、として手に取るのがいいと思います。


で、さっき書いた
「主流意見や衆愚におもねらず、自らの信念で国をデザインし、それを実現する政治家像の提示」

は、別に貴族政治や哲人政治を推奨しているわけではなくて、

あとがきに、「この国が、国民の顔色をうかがって媚びを売る政治家と、自分自身で政治のかじ取りができると過信した国民で満たされてしまう前に」という表現があるように、

国家的な課題に優先順位をつけて、何をやるべきときちんと論理を提示する政治家と、その政策を吟味して、その実現を任せる国民、という関係性に基づく政治が行われる方が、現在の政治状況よりも良い状態なのではないか。まだそれに近い状態だったと言える吉田茂の時代はどうだったのか知っておくべき、という課題認識にあることは理解しておいた方がよさそう。

とは言え「政策を吟味して特定の政治家にかじ取りを任せる」という作業をこの列島の民は歴史上やったことがないことなんだけど・・・


講演会「白洲次郎などの先人に学ぶ危機に強い生き方」に行ってきた(2012/04/05)


でも語られていた

「モラル高く、自立的な日本人」にならないといけない、

些細な点を針小棒大につつくのではなく、大所高所の視点を各人が身に着け、守るべきものを共有し、次代に残していくようにすべき、

誰かがやってくれるのを期待するのではなく、自分が何かをする気概を持つ、

辺りを実行するためのロールモデルの一つ、といった感じで読むべきでしょうね。









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