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zoom RSS 本「出光佐三 反骨の言魂」

<<   作成日時 : 2013/04/12 21:50   >>

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出光興産の創業者については、昨年、小説の題材になったことで注目を集めた気がしますが、こちらは言行録。特徴的な発言(「反骨の」とあるように、いささか啖呵じみた発言が多い気もするが)を元に、その一生を構成する本になっています。


出光というのは、石油の輸入からガソリンスタンドでの小売りまで一環して行う日本資本の会社(今は株式上場済)なのだけど、その会社を一代で興した出光さんのスタイルを一言でまとめると

「既存の商売秩序に喧嘩を売って、自分の利益にしてきた男」。


植民地にある油井を押さえて市場コントロールを行っていた欧米の石油メジャーと、その傘下の日本の石油会社業界に、業界の秩序維持のため(という名分)にコントロールしたがる日本の官僚群が、それなりに築いた商売秩序を、

グレーゾーンで商売して引っ掻き回す、別の商品を用意してお客さんをかっさらう、工作をしかける、といった感じで崩し、自分の商売を大きくしてきた、と言えないこともなさそう。

その意味では、典型的な「新興商人」の動きをするわけですが、実際には上の記述は若干間違っていると思われます。


商売の目的が「自分の利益のため」だったのではなく、「消費者のために」動くことが自分の利益になるように商売をした一生だった、ということになるようです。


その根っこと思われるのが、
「ただ物を動かして利ざやを取るだけの商人は不要になる。そうでない商人は要る。それは生産者と消費者を直結して、その中間に立ち、相手の利益を考えながら物を配給する商人だ」(神戸高商 内池廉吉教授 P37)

の教えかな、と。


物を押さえている側は、カルテルさえ出来てしまえば、価格を下げる必要もなくいつまでも利益を得ていられるが、そこにはイノベーションも顧客満足もないし、

その状態に満足してある時点での秩序を固定化したままにしようとする業界は、その時代背景的なものが変わっていったときに、「古きもの」として流され去ってしまう、

長きにわたって続く商売がしたいのであれば、「どうすればお客さんが喜ぶか、お客さんが望んでいるものは何かを考えて、それを実現できる方法はないか」を考え、それを実行すること。そうすればお客さんが使ってくれ、自分たちは商売を継続できる。

必要があれば新しい提案をし、その利便性を実証してみせ、今までになかった道を開くことも、全て「他社が今まで通りの商売を、お客さんのためにではなく、供給者側である自らの論理で続けているに過ぎない」ときであり、

他社が何かと理由をつけてやらないことであるが、実はそれこそがお客さんのために必要であると考えたことを、果敢に実行したことが、実際に世の中で求められていたことと合致したので、出光は大きくなることができた、と言えそうです。

その「お客さんのためによいこと」を、既存の業界秩序、統制好きの官僚群との対決という形で実現しなくてはなかったときに、出資者、社員、商売の関係者たちといった人々との関わりを、どのような言葉が彩ったか、という風に読むとちょうどよさそうかな。



先日の大原孫三郎が、片手で商売をしながら、もう片手で、倉敷や岡山の地域とそこに住む人の向上を考えていたのなら、

この出光佐三は、片手で商売をしながら、もう片手では、昭和期日本における「石油」の扱いをどうするか、石油という20世紀最大の戦略物資を通じて「日本」をどう立たせるか考えていたと言えるのでしょう。


敢えて一つも引用しなかった言葉たち

出光 佐三の言葉(出光興産)

をさしおいて、これは!と思った言葉を最後に一つだけ。

「一人一人が自ら考え、主体的に行動できること」(徳山製油所の入口の標語 P256)


結局、出光が戦い続けた相手は「前の人がそう決めた」、「上の人がそう言っている」、「他の皆がそうしたいらしいので自分も」の人たち。数だけを頼みに自分のやることに自分で理由づけもできず責任もとれない人たちと戦うには、よくよく考えてあたらないといけないということなのでしょうね。





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