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zoom RSS 本「最強の孫子 戦いの真髄」

<<   作成日時 : 2013/03/21 22:28   >>

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もともと、中学時代の吉川英治版三国志から中国史に入ったので、読み物とかで語られる孫武や孫ビンのエピソードは読んでも、「孫子」にはなかなかたどり着きません。実際、10年くらい前に、岩波文庫がワイド版という大判の文庫で孫子を出したときに買って読んだのが最初でした。今度、勉強会のために解説書を読むことになったのですが、さすが「最強」という感じです。


この本の著者には、昨年、内輪のセミナーで教えを受けていて、その時にもこの本は面白いと聞いていたのですが、

あなたは一生「勝ち」続けることができるか(田中塾応用コース「会計×戦略」PART1)(2012/09/28)

「自分の戦場で勝つ」ことが勝利である(田中塾応用コース「会計×戦略」PART2)(2012/09/29)


今度、さらに少人数の「孫子について語り合う勉強会」に加わることにしたら課題図書になったので、慌てて読了した、という話になります。

「孫子の兵法・読書勉強会」テキストについて(元会計士 田中靖浩の人生B-side)


本自体は、4章構成で、

第1章が「孫子」の概略

第2章が「孫子」の代表的な言葉紹介とその解説

第3章が、その行動に「孫子」の影響が見られる人物たちの紹介

第4章で、三十六計などの他の中国古典、西洋のクラウゼヴィッツなどの他の代表的な著作との比較の中で、それぞれが「戦争」をどうとらえているのかの解説


孫子に関する平易な解説本というジャンルはそこそこあると思いますが、この本で言えば第2章の部分だけだったり、第3章が主体だったりするし、第4章のような切り口はなかなか無いので、

孫子に関する様々な切り口が全部載っているお得本として、

「全くの素人で『孫子』って何?な人向け」と言えそうかな、と。



「孫子」というのは、戦いに勝つための方法論ではあるが、「戦術」の本ではない。

「敵を知り、己を知るならば、絶対に敗れる気遣いはない(謀攻篇 P42)」は、100戦100勝を目指す話ではない。

「敵を攻め破り、敵城を奪取しても、戦争目的を達成できなければ結果は失敗である(火攻篇 P106)」から、目先の勝利ばかり追ってもいけない。

「あらかじめ勝利する態勢を整えてから戦う者が勝利を収め、戦いを始めてから慌てて勝機を掴もうとする者は敗北に追いやられる(軍形篇 P98)」であるがゆえに、戦わないという選択肢がある。

といったさわりを読んで「何なに?」と思ったら、まずは読んでみるべし。


というわけで、「孫子についてのとっかかりを得たい人のための入門本(初級〜中級向け)」をこれ以上ネタバレしてもしょうがないので、この本を携えて勉強会に臨んだときに、私が発表した「『孫子』の中で気になったフレーズ」の話を。



「孫子」がいわゆるマニュアル本ではないことを端的に示していると思うのは、

戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は勝(あ)げて窮むべからざるなり。奇正の還りて相い生ずることは、環の端なきが如し。誰か能くこれを窮めんや(勢篇 二)


戦いに勝つには、正々堂々たる方法と奇策の組み合わせがあれば勝てる、と論じてきているのに、ここで、その正と奇の組み合わせは無限にあるから、誰にもそんなものは極められない、と読者を突き放してしまうこと。

正面から敵と当たりつつ(正)、側面や背後を衝く(奇)はオーソドックスだけど、

いかにも奇襲攻撃のありそうな状況(正)で裏をかく(奇)もアリだし、結果それはどんどん高じて虚虚実実の駆け引きになっていく。「こういう奇策がある」という紹介は、紹介された瞬間に「正」の策になってしまい、裏をかく対象になるから、結局のところ、戦いに勝ち残りたいなら、必要なのはノウハウではなくて「心構え」になる。


では、心構えのヒントはどこかにないのか、といえば、それはちゃんとある(と私が思っているのは)。

智者の慮は必ず利害に雑(まど)う。利に雑えて務め信(の)ぶべきなり。害に雑えて患い解くべきなり(九変篇 四)


利益がありそうだ、というときに飛びつくのは「罠にハマる」ことかもしれないし、不利益を避けたつもりでさらに悪い事態を招くこともあるかもしれない。では、その時にどうしたらいいかといえば、逆の側面も考慮すること。

いい話をうのみにせず、「これに何か落とし穴やデメリットや見えていないリスクはないか」と検討するから、その話にのってみても間違い(不測の事態ということ)は起きないし、

悪い話のときに、「これによって禍を転じて福となすようなポイントはないか」という点も見るので、悪い状況にいてもくよくよしないですむようにできる。

失敗しないようにするにはそういった心構えが必要だということでは。

この解釈が学問的に正しいか否かはさておき(一応それっぽくなるようにはしてみた)、私がそう読んだのなら、それでいいというのが古典の面白さではありますね。




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本「最高の戦略教科書 孫子」
世の中には、わざわざ仕事が終わった後の時間帯とかにどこかに集まって、酒も飲まずに「この文章はきっとこんな意味だと思う」とか「この考え方は現代でも使えそうだ、例えば最近某経営者が打ち出した経営戦略は・・・」とか語り合う酔狂な会合があるそうで、自分たちでは「勉強会」とか呼んでいるようですが、はたして、一体何を「勉強」しているのやら。そうした会合で種本になるものが、この「孫子」です。 ...続きを見る
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