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zoom RSS 本「サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR」

<<   作成日時 : 2012/11/22 22:51   >>

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映画版009と同時平行で読んでいたのが、サイボーグ009未完の「完結編小説版」。まさか10年近く待つことになるとは思わなかったけど、ようやく完結したので、読むことにしました。

サイボーグ009公式サイト

サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR(角川文庫)


サイボーグ009は、「天使編」と「神々との闘い編」と2度、完結編の制作が挫折したそうなのですが、結局、その後30年間、続きは描かれることなく、ご本人は亡くなってしまいました。

その死の床で最後まで書き続けていた「構想ノート」&「下書き原稿」を元に、劇作家をやっていた息子さんが仕事を引き継ぎ、完成に持っていったのがこの小説版。2006年に1巻目が出版されたときに、「いよいよか」と思ったけど、結局、その段階では再び挫折。最終的に、「最後の闘い」が起きるとされた2012年に何とか間に合った、というところです。

ご本人の構想通り、小説版を発表し、それを元に漫画版の作成、と行われているようなので、一区切りつく方向に進んでいるといえそうです。

サイボーグ009 完結編 conclusion GOD’S WAR(漫画版)


今回の敵は「神」または「天使」と呼ばれる人たち、というのは、未完だった作品から来ている知識なわけですが、

元々、サイボーグとして、「自分たちをサイボーグに改造した人(ある意味創造主)」を敵に戦っていた人たちが、もう一歩進んで「人類の創造主」を敵に戦うのか、

仮にそうだとして、そんな相手と「戦える」のか、結末はどうなるのか、

が主な関心時です。


でも、この本は、「ただの」サイボーグ009の新作(最終作)ではありません。

物語の構造上「009の物語を完成させようと自らの命の最後の灯をそこに注ぎ込む石ノ森章太郎」の姿が、色濃く滲んでいます。

完結編を始める前に、長期にわたる切れ切れの連載で整合性がとりにくくなってきた漫画の設定を全部リセットするために、「死の床にある石ノ森を、未来のどこかの世界からギルモア博士が訪ねてくる」場面から始まるこの物語は、

神らしきものが引き起こす災厄によって破局に瀕した世界でサイボーグたちが戦う『現実』の2012年と、
自分の作った『物語』としてのサイボーグ009をハッピーエンドで終わらせようと呻吟する作者がいる1998年を

行き来しながら、

『現実』が『物語』の続きを要求し、それに応じて最後まで『物語』をきちんと終わらせようとする気迫が『現実』において諦めずに最後まで戦う力になる入れ子になっていて、

極端な話、この話は、009の完結編ではなく、その仕事を引き継いだ子の「父へのリスペクトの手紙」とも言える側面があるように読めます。


元々、遺稿が残されていた章、アイデアだけ残されていて小説に組み上げる必要があった章、とバラバラの進捗度合いだったらしい、各人にフォーカスを当てた物語と、最終章。全体の構成はたった一度口伝えに聴いただけ。引き継いでまとめるのは、自分で勝手に作るのよりもはるかに難しく、並大抵の努力で出来るものではないでしょう。

きっと、病室での父の執念を見て、「終わらせてあげないと」という思いだけで、この10年小説の作成に取り掛かっていたのであろうことは想像がつきます。

逆に、007の物語が「タイトルだけで、アイデアも遺稿も全く残されていなかった」ところから作らないといけなかったのは、息子が書かないといけなくなることを前提に、息子のフィールド(劇場を舞台にした物語)だけは好きに書かせてあげようとわざと手をつけなかったのかな、と思わせるくらいに、「合作」感が漂う出来です。


個人的には、第3巻(全員が揃ってからの「最後の闘い」)の話の進みが速過ぎる気がして、もう少し第1巻と第2巻からの伏線回収をじっくり描写してもいいのでは、という気もしたのだけど、

骨組みが分かるように肉付けをして、石ノ森本人の作品として(そして本人の生を)終わらせるためには、これくらいでちょうどいいのかもしれません。


よって、この小説は「虚構の物語として成立しているか個人的には怪しく感じる(若干展開に置いてけぼり感のあるのと、エンディングとエピローグの繋がりに納得がいかない)」のだけど、

「人々に愛された、歴史ある作品とその作者が、読者に贈る最後の手紙」だと思って読むと、

最後まで諦めずに前を向いて歩く

誰かの言いなりではなく、自分で考えた道を自らの足でしっかり歩く

それで道を切り開いて進め、

というメッセージなのかな、と。何はともあれ、無事に終わらせた親子に「お疲れ様」。



サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR I first (角川文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2012-09-25
石ノ森 章太郎


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サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR II second (角川文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2012-09-25
石ノ森 章太郎


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サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR III third (角川文庫)
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2012-10-25
石ノ森 章太郎


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