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zoom RSS 本「失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇」

<<   作成日時 : 2012/10/23 22:37   >>

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以前に取り上げた「解説本」と違って、こちらは「続編」。読む前は、途中に挟まっている「戦略の本質」を読んでからにすべきだったかな、とは思ったものの、この本は組織というよりもリーダーに重点が移っているので、そういった心配は無用だったようです。

失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇


この本で扱うのは、「戦場のリーダー」。

銃弾・砲弾が降り注ぐなかで、兵とともに突撃する「小隊長」のリーダーシップ、

軍団(艦隊)を率いて戦う将軍クラスのリーダーシップ、

(今風に言えば、係長・課長のリーダーシップと、部門長のリーダーシップでしょうか。)
には何が求められるか、という話と


研究の対象である「大日本帝国陸海軍」における失敗の主なポイント、
★参謀がリーダーシップを発揮することでどんな問題が生じたのか★

の考察が主に行われています。


で、最初の「失敗の本質」が著されて以降に出てきた知見であるところの、

ソ連崩壊に伴い、機密指定を解除されたノモンハン事件時のソ連側文書や、

2009年ノーベル経済学賞のオリバー・E・ウィリアムソンの「取引コスト理論」

が、検討のための材料として追加されています。


ただ、リーダーシップというからには、個人の資質みたいな話が主になるかと思いきや(それだと、日本軍の失敗は「無能な将軍に率いられたから」だという話になるが、そういう単純な話ではないはずで、当然この本もそういう方向には行かない)、

「空気」と「派閥」というものが、大日本帝国の戦争指導においていかに影響を与えたかという話になります。

例えば、大和特攻作戦において現場は作戦実施に反対(成算が全く無い)で、その反対の理由が改善されたわけでもないのに、反対者たちが全員ある瞬間をもって「分かりました」と言い出すのか、

または、失敗した作戦の指導者たちが特に責任を追及されない(下手すると昇進したりする)のか、

もしくは、関東軍はなぜ中央の統制を聞かず勝手に戦火を広げたりしてしまう(できる)のか


といった、意思決定における非合理的な動き、組織内の力学構造などを検討する「リーダーシップ」論になっています。


だから、戦争を外交・政治の一局面として指導する「政治、国家運営のリーダー」がどうあるべきかの考察はあまり行われてはいません。

開戦前に日本必敗を予測した「総力戦研究所」の話が出てきますが、これも、「国家運営のリーダー像」の話よりも、専門馬鹿でない、大局観のあるリーダーを育成することの難しさ、に主軸が置かれていました。


この本から得たのは

「戦場のリーダー」は、戦いの目的、優先順位を考え抜き、自らが指揮する部隊の隅々までに、その目的に沿って行動するよう徹底させることを行わないといけない、

それより上のレベルでは、「現場の発想」ではない「一段上の物の見方(それまでの専門以外の考え方とあわせることや、場合によっては過去の経験を古くなったと判断して捨てる決断をすること)」を身につける必要がある、

状況が変わって、物事のやり方が変わりつつある時代に、過去のやり方に固執したものは敗れる、

相手方の出方を、自分たちの立場ではなく、相手方の立場で考察して、自分たちの対処を考えることが本当に出来るか(相手を自分に都合がよく動いてくれるように予測する人は勝利を得られない)、

そうした柔軟性の確保には、組織に(人材のバックボーンでの)多様性を確保し、様々な価値観と視野をもって判断できる体制を有するようにすることが重要である、

といった感じでしょうか。


昭和期大日本帝国陸海軍の失敗を一言でいうと、「同質の人間が同質の価値観で集まっている状態で、目的が曖昧なまま戦争を戦おうとしたら・・・」ということのようだ。

今の大組織も同じことをしているように思えるのだが。



失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇
ダイヤモンド社
野中 郁次郎

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