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zoom RSS 本「『超』入門 失敗の本質」

<<   作成日時 : 2012/08/10 22:02   >>

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私が「失敗の本質」を購入したのは高校から大学に入る頃で、高額な書籍だったので、思い切った買い物だった記憶がある。太平洋戦争に敗れた日本軍の組織運営上の欠陥を研究する本で、太平洋戦争の年表的出来事と経過は大体頭に入っていた当時の私でも、さすがに難解でした。

論理的ではない作戦遂行、現場の意見や情報を活かさない中央、空気に支配される議論・・・

「神州日本は負けるはずがない」みたいなところから、

勝つために必要なことを考え抜くことが行われず、

過去の成功体験(日露戦争)にこだわり、失敗から学ばない(あまつさえ、負けるのは根性が足りないからとかそういう話に持っていってしまう)組織は、何が問題だったのか、を書いてあるのですが、


その本を初心者向けにしたらしい本が出ているというので読んでみることにしました。

ただ、この本、「失敗の本質」の解説本ではないです。

書籍『「超」入門 失敗の本質』を批判する - naoyaのはてなダイアリー

にも記されていますが、あくまでも、この著者であるコンサルタント氏が、「失敗の本質」で取り上げられている事柄(つまり日本軍の失敗)を元に、自らの日本人論、組織論を展開している本で、その点には違和感を感じながら読むことになってしまいました。

まぁ、日本軍(正確には参謀本部とか軍令部などの中枢部分)という組織には日本人しかいないので、この組織の失敗が、組織運営上である機能を欠くなどのテクニカルな問題によるのか、日本人がそのように流されやすいメンタルだから起きたと言った方がいいのか微妙な部分はあるのも確かなのですが・・・


そうは言っても、

目標=戦争に勝つこと

だというのなら、戦争に勝つことにつながる施策が選ばれるべきで、

その判断は、命がかかっている以上「きわめて合理的に」行われないといけない。


補給を考えない戦争計画を立てたり、作戦に従わない(つまり自分の役割や求められる能力を伴っていない)将帥や参謀など論外(そんな人物は世界中のあらゆる歴史上に愚将、凡将として存在するけど)で、

全体の勝利を犠牲にする局所的な(自分の目の前だけの)勝敗にこだわる態度も話にならないし、

広がってしまった戦線の重要度合を見極めて、現状維持に抑える戦線と、リソースを投入する戦線を決められない中央というのは「中央」ではない。

最悪、投入する戦力に見合う成果が得られないから「捨てるべき」占領地というものを見極められないのなら、その参謀は単純にハドリアヌスより劣る能力であるだけだし、

各派遣軍が暴走しがちなのに手綱がかけられないのであればどういう結果が待っているかは、西ローマの末期にも、中国の歴代王朝のそれぞれの末期にもいくらでも似た例を探してこれるはず。



だから、失敗に学ぶのであればその失敗の理由を「日本人だから」みたいなことに帰結させてはいけない(日本人に流されやすい特質があるとでもいうのなら、そうならないように、よりブレーキを厳しく機能させる必要がある、みたいな考え方に持っていく手もあるけど、そういう論理展開がしたいわけでもなさそうだし、個人的には、仮にそういう施策をとっても、えてして逆効果になりやすいと思う)と思われるので、

日本軍とアメリカ軍のそれぞれの組織決定結果を、「日本人は」という言い方で解説してはいけないという意味で、この本はあまりいい本ではないなぁ、というのが正直なところ。

超入門ではなく超訳にした方がよかったのではないかね。でも、こうした感想になるのは、「失敗の本質」に沿った内容をこちらが求めたから。日本軍の失敗を日本企業の失敗にしないためには、という考え方を読みたい人にはちょうどいい本なのではないかな。






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