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zoom RSS 本「ブラック・スワン降臨」

<<   作成日時 : 2012/06/18 22:56   >>

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「黒い白鳥」って矛盾した名称ですけど、つまり「有り得ない事・物」のたとえ。米国の同時多発テロと日本の原発事故、という「有り得ない事」に見舞われた国がどのように振る舞ったのか、を描いたノンフィクションです。

この本は、ラジオ版学問ノススメで知ったのですが、

ラジオ版学問ノススメの著者インタビュー音声版


雑誌FACTAの連載を下敷きにしているようで、巻末に発行人による解説もついていました。

手嶋龍一著『ブラック・スワン降臨』:阿部重夫発行人ブログ:FACTA online

手嶋龍一公式サイト


国家のインテリジェンスは、「正しい情報」が手に入るようにすれば万事OKではない。

偵察衛星だ、情報収集のための人的スパイ網だ、といっても、
「これが大事な情報だ」という付箋が付いて情報が出てくるわけではない。

情報の細かい断片の海から、針を探すように情報を拾い出すことになるし、
多分、判断して結果を過たない、程度まで情報が揃うのを待つことはできない。


手元にある限られた情報と、情報解析にあたる者や決断者の読み、そして決断者の結果責任を取る覚悟が揃ったところで行われる、大勢の人命のかかった「勘」みたいなものが、国際的なインテリジェンスという世界で行われている。

その例として、

情報があったものの「そんなことは起こるわけがない」、「それに責任を取れない」みたいな連鎖の中で事前の警告が機能しなかった9.11米国同時多発テロ、

「テログループの首魁を倒す」の目的のために様々な情報をつきあわせ、最後の決断をもって行われたビンラディン暗殺計画、

誰が何の情報を持っているのか、誰が何を決断すべきなのか、が曖昧なまま舵取りされる日本外交の結果損なわれていく日米同盟と、それに基づいて変化する東アジア情勢、

そして、3.11東京電力福島第一原発事故が語られます。


911のあの日から不眠不休で米国から中継し続けたNHKのワシントン支局長として、国家間の情報戦の中にもいたであろう手嶋氏が、

インテリジェンスの成功例と失敗例とも言える暗殺作戦と同時多発テロをもって、インテリジェンスとはどういうことかを解説し、

翻って日本の

沖縄の普天間基地問題

対中国

対北朝鮮

対ロシア

それぞれへの対処と、震災対応・原発事故対応の初動で、決断できなかった政府の何が問題だったのかを述べていく、という内容になっています。


日本政府に対する、

覚悟なき選良(P230)

「政治指導者は確かな情報さえ手にすれば、誤りなき判断をくだすことができる」(P147)という幻想

情報とはいくら命じても蒐ってくるものではない。自らの信望ゆえに提供されるものなのである。(P235)

という言葉と、

”トップが最後の落としどころを最初から見せていれば、部下はそれに沿った情報を出し、それに反する情報は出てきにくくなる”という普遍的な真実

そして、
「万一作戦が惨めな失敗に終わっても、すべての結果責任は自らが負わねば」(P22)

「些細な実務や小さな決定に手を出してはならない。国家の命運を左右する局面での決断に持てる全てを注いで、淡々と結果責任を担ってみせる。」という危機の指導者の鉄則(P232)

というリーダーの有り様と、

「大国が互いにしのぎを削る冷徹な世界にあっては、力を持つ者こそが正義なのである。力を持たない者は自分の存在そのものが悪だと決めつけられないよう振る舞うのが精々のところなのだ」(リシュリュー卿発とされる箴言 P178)

という冷徹な事実の指摘が刺さりましたかね。


「これは起きないだろう」という思い込みをどれだけ排除できるか、
ギリギリの判断を自分はしないといけないかもしれないという覚悟をもつことができるか、
状況は変化していて、相手があって自分の立ち位置もある、ということを理解しているか、

多分、国だけでなく、個人でもそうなのでしょうね。





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