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zoom RSS 本「リスク・マネージメントの道具としてのビジネス契約書の起案・検討のしかた」

<<   作成日時 : 2011/12/08 06:37   >>

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完全に本業関係の本。自席に置いておいて、この本にはこんなことが書いてあるんだ、という話を周りにすると、「その本はお前が書いたのか?」という話になるくらい、私の主張と同じようなことが書いてあって、どこに行ってもこの仕事は似たようなものなのね、という気分になる一冊です。


リスク・マネージメントの道具としてのビジネス契約書の起案・検討のしかた 原 秋彦 著(商事法務)


実は、以前に契約書の本を探していたときに、Amazonでレコメンドされるこの本のことは気になっていたのですが、既に出て数年経っていたこともあって、見送っていた本。最近読んだブログで、改版されて新しくなったことを知り、この機会に、と入手してみました。


【本】いまさら人に聞けない「契約・契約書」の実務―Q&A(2005/11/04)

dtk's blog ビジネス契約書の起案・検討のしかた―リスク・マネージメントの道具としての / 原 秋彦 (著)


本としては、弁護士向けというか契約書のドラフティングを専ら行う人向けの「心構え」集。

とにかく、「文例集」からそれっぽいのを適当に修正して作ってみました、という契約書作りがいかにダメか、を実際の文章を元に解説する本、ということになります。

契約書でいつも問題になるのは、どんな案件でも「雛型」を元にちゃちゃっと契約書は出来る、と思っている人が多いこと(だから、ごく短納期で依頼してきて時間がかかると返すと何でだと食ってかかる依頼者も多い)。

その思い込みが成立するのは、完全にルーチン化されていて、誰もが同じことを同じようにやってのける取引の中においてだけ。ごく単純な不特定物の売買とか、完全に仕様の固まったサービスの提供みたいなものだけでしょう。

大抵の「取引」、法務部員や弁護士に「契約書作って」と言うような案件がそんな単純なものであることはなく、逆に、「似たような案件の契約書を流用して作ってみました」が、実態に全く即していないことが後で判明するなど、ろくでもない結果になりがちであることを、

実際に経験する前に、説明してもらえるという点では、ドラフティングの仕事をこれから始める新人用のお勉強本としては有用そうです。残念ながら、この手の有用な内容の本って、新人時には響かなくて、ある程度経験を積んでから読むと「そうそう、そうなんだよね」となるものなのだけど。


特に我が意を得たりな感じがするのは、

営業マンやエンジニアは方言を標準語と錯覚しがちである(P11)

相手方当事者との間で解釈・理解にズレがあるようでは紛争処理規範として機能しない(P21)

「こう書いておけば、何が言いたいのかを相手も当然理解してくれるだろう」という甘えというか、安易さというか、「相手は自分を分かってくれるはず」という民族的同質性のある社会に特有の振舞い(P38)

用語の不統一は解釈の混乱をもたらす(P41)

問題となっているビジネスの実態(そもそもそれがどのような仕組みのビジネスであるかということ)がある程度以上見えていなければいけないし、そのうえで、どのような財やサービスが動き、それに対してどのような対価が動き、また、どのような儲けや損失が生まれるのかも、ある程度以上、見えていなければなりません。そうでなければ、どこで躓きかねないか、どこで大損を被りかねないか、どこで利益が対立しかねないか、どこでトラブルに巻き込まれかねないかが、なかなか見えてこないわけです。(P60)

(商売のスピード感や守らないといけないもの次第では、通常の催告期間が不利益であるケースを説明し)結局、自分の会社の具体的な立場を離れては、このような一般条項といわれるような条項の適切さ如何も判断できないということです。(P89)

揉め事が発生してしまい解決のための話し合いの必要が生じたときに備えて「協議して定める」と規定しておくのは、合意された具体的な権利義務の内容が定められていないという点で、実は、当該事項についての契約条項が取り決められていないのと同じことです。(P92)


こんな話を、「解釈がブレてよろしくない条文案」と「ある程度かっちりと定義された条文案」を比較しながら、後者のような文章を書くべしと指南する本。

また新たに部下がつくようなことがあったら必読書にするかな。



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