いーわん情報源 たまには日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 本「巨人たちの星」

<<   作成日時 : 2011/02/11 09:42   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

別に「重いコンダラ」を引っ張ったり、ちゃぶ台をひっくり返したりするお父さんがいたりするようなお話ではなく、「ジャイアンツ・スター(略してジャイスターと呼ばれる)」と呼ばれる太陽系先住民の移住先惑星との接触に関するSF小説です。


一応、この話は

本「星を継ぐもの」(2010/11/11)

本「ガニメデの優しい巨人」(2010/12/29)

に続く第三部。前二作が、ある謎(月面に存在した5万年前の人類の死体、地球人類の進化のルートの解明)を、仮説検証のループで論理的な説明を成り立たせようとする試みを実施していくミステリーだとすれば、今度こそは本当にサイエンスフィクション。

地球社会と「巨人」チューリアン社会、地球人と双子の兄弟のようなジェヴレン社会との3つの星系にまたがる政治・外交・陰謀の中に、前二作の登場人物らが巻き込まれ、前二作で残された謎を解きつつ、地球人類の宇宙進出がまた一歩進んで行くお話。


三部作ですが、このお話の雰囲気が前と違いすぎるので、これだけ異なった評価になっていたりするようです。

何せ、前ならかなりの紙幅で考察されそうな謎が、今作では、「その時代の調査記録」とか「ブラックホール制御をはじめとした超科学技術の影響」であっさり片付けられてしまうし、もしかしてそうかなレベルの推論が、交渉のブラフに使われることで真実に近いことが証明されたり、と謎が謎にならない。

代わって、チューリアンなどの異世界との対話を巡る米ソ超大国や国連といった駆け引きや、陰謀論的な存在の策動、チューリアンとジェヴレンの間の虚実とその「最終的解決」と言った社会や政治的なお話が主になっているので、「期待していたタイプのお話じゃない!」という読者は多分にいそうです。


まぁ、宇宙空間進出に関しては一番の新参で、技術などでは赤子同然の「地球人」を、この設定の宇宙の中で一定の役割を持つように活躍させるには、人間の得意分野(戦争や陰謀)にお話の軸を移さないといけない、ってことなのかな、とは思いましたけど。

そう考えると、人間たちの活躍が面白すぎる。


潜入工作、スパイ作戦をやったり暴いたり、はったりと恫喝を織り交ぜた交渉、偽の情報を作成し、相手に掴ませるタイミングを計るなど、もう人間たち活躍しすぎ。

主人公たちがチューリアンやジェヴレンと違って、地球は「人間同士」でその能力を磨いてきたから得意なのだ、と言い出すに至っては笑ってしまうしかない、というところ。

そして、そんな地球人を眺めた異星人たちが、

今しがたの危険も、未知の恐怖も、彼らはまるで気にしない。そうして、あのように冗談を飛ばし合って笑い興ずることだろう。地球人は常に何かに挑み、失敗しても笑って忘れ、すぐにまた試みる。最後には、きっと目的を達するのだ。

と感心してしまうと、その向上心をリスペクトするのはともかくとして、チューリアンに移住したガニメアンたちの心優しさが、人類によって汚されていくようで、ちょっと心が痛むかな、という気も。


個人的には、300ページのあたりで、生物学者と外交官(法律家)が行う、

法律もやはり真実の究明に大きな比重があることはご存知でしょう。方法も科学に近いものですわ。科学者の仕事にコンピュータが必要だからと言って、論理が科学者の専売特許ということにはなりませんでしょ

に始まる一連のやりとりが、可笑しかったですね。法律屋は仮説検証を無限に繰り返す贅沢はできないので、科学者よりも最初の判断が重要になる(抄)、ね。

この理屈っぽさが、やはり三部作なんだ、という気にさせてくれました。


巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))
東京創元社
ジェイムズ・P・ホーガン

Amazonアソシエイト by 巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3)) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
本「巨人たちの星」 いーわん情報源 たまには日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる