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zoom RSS 本「ビール世界史紀行 ビール通のための15章」

<<   作成日時 : 2010/08/25 22:04   >>

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400ページ近い分厚さと900円という高額な文庫ですが、ビールの成り立ちから、ヨーロッパ各地での変遷と世界への伝播、日本へのビール上陸から、ごく最近のバドワイザーブランドの買収劇にいたるまで、4,000年のビールの歴史を網羅した大著。ビールにもワインや日本酒のような薀蓄も地域による味の差も、作る人たちの愛着や努力があって、決して「とりあえず」な飲み物でないことを示そうとする著者の熱意が感じられる本です。


とかいいつつ、「メーカーとして『とりあえず』という名のビールの開発を検討した」ことがあるそうですが、もう先を越されてしまってますよー

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さて、この本は、

日本麦酒事始を紐解いて、日本でラガー・タイプのビールばかりが製造されている理由の考察を、エールタイプの導入状況と失敗の分析、ラガーへの方針転換と当時のプロシアびいき(ドイツの製品への親近感)などから求めてみたり、

乃木将軍の一気飲みや、森鴎外のドイツ留学時の飲み歩き、などのエピソードを織り交ぜてみたかと思うと、


古代メソポタミアに起源があるはずの世界最古のビール(発酵させたパン)から、

キリスト教で大事な「ワイン」が醸造できない場所で代わりに作られた面もある、穀物酒としてのビール、

その重要な製造場所である修道院(例えば、9世紀頃の一大拠点だったザンクト・ガレン修道院)の位置づけや、

そこで発展していく醸造技術(メンデルの例をひくまでもなく、修道院では、日々の活動から自然科学に関する知見が蓄積していきやすい)

その中で発見された、防腐作用のあるハーブ”ホップ”

液体のパンとして、巡礼者や貧しいものへの施し(スープの代わり?)として振舞われるビール、


腐敗させないで遠方に運ぶための工夫は、その後の植民地時代に、「生水が危険な熱帯地方での安全な飲み物」として、原麦汁濃度が高く、アルコール度の高い。ホップ多めのビールの製造へと繋がり、

英国のビール、ドイツ各地(ミュンヘンやバイエルン)、ウィーンのビール、ベルギーのビールと、様々な醸造法、原料、水に基づき、人々の好みの変遷も受けて、様々な種類のビールが出来ては廃れていく様を現代まで連綿と詳述します。


最後に、バドワイザーブランドの買収劇に至る昨今の国際化情勢にまで言及する網羅ぶりです。


著者自身が、各地のビール醸造所を回って飲んだときの味などの記述を呼んでいると、ワイン蔵を巡るソムリエか何かのような感じで、醸造所毎に異なる醸造法、原料により異なった味わいになるビールというのがよく分かります。

ダークカラーのビール作りに向いた硬水と、淡い色合いのピルスナータイプを生み出した軟水といった話や、


昔ながらの作り方というものを守るのか、最新の科学成果を取り込むのか、資本の巨大化、大量生産とどう折り合いをつけるのか、遠方の醸造所のビールとも競争する国際化時代における特徴付けなど、さまざまなことを考えつつ、いろんな種類のビールがあったのねぇ、と。

正直、情報量が多すぎて、一度読んだだけではとてもではないが、書いてあることを理解しきれない本です。


面白かった言葉を二つ。

「ビールのよし悪しは、客のジョッキがどれだけ早く空になるかを見ればわかる。」

「営業と生産は時に戦わなければなりません。営業の無理難題に生産が妥協した時に、その製造企業の命運が尽きることは多くの実例が示しています。」

さすがに、品質部門をずっと見ていた著者の方。あくまでも、飲んで喜ばれるビールであることを第一義に、妥協をしないで進め、という頑固職人のような信念が見え隠れします。

ビールって飲み物も奥が深いですね。



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