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zoom RSS 記念講演会「星新一を読むということ―<科学>と<文学>をめぐる旅」に行ってきた

<<   作成日時 : 2010/07/09 21:19   >>

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世田谷文学館でやっていた「星新一展」の最後のイベント、「パラサイト・イヴ」の作家瀬名秀明さんによる星新一論を聴きに、再び蘆花公園まで行ってきました。

「星新一展」に行ってきた(2010/06/21)

星新一展(世田谷文学館)


テーマは、1001編あるショートショートではなく、星さんのエッセイ&ノンフィクションについて。

この話を聴くまで、星さんのエッセイ集に関して「刊行順」とか「書かれた時代ごとの特徴」というものを考えてみたことがありませんでした。

企業のPR誌というのがたくさんあって、作家はそれにエッセイを書いていることが多いために、その企業の製品カテゴリなどをテーマにしたものがあって、それらがエッセイ集に収録されると突飛なテーマのエッセイに見えるとか、他の作家たちを含めて同じテーマのエッセイが横並びに出来て、作家研究のときに面白い、というのは聞いたことがあるのですが、

初期の時代のエッセイと、その後の時代による内容や文体の変遷などというのは考えたことがなく(手に入れた順であり時代順に読んでいないのだからある意味当たり前?)、その視点は面白いかな、と。


で、瀬名さんによると、
「気まぐれ星のメモ」に収録されている初期のエッセイは、特に飾らない自然な文章であるが、

その後、段々と「SF作家はエキセントリックな言動をする」という社会イメージに見合うようでいて、ひとひねり加えたエッセイを書こうとしている形跡が見られるようになっていき、

「気まぐれ暦」あたりでは、かなり「SF作家の大衆イメージに近寄らせすぎている」感じのするものも出てくる。

この辺は、エッセイを依頼する側が「こういうのを書いてください」or「自由に書いてください」のどちらでお願いしたか、も影響しているのだろうが、そうした工夫を見るのも面白い。

最終的に、エッセイは語尾に「ね」を多用し、口語に近い文体になっていくが、これは時代小説の中編「殿様の日」の文体に近い。ちなみにこの作品は瀬名さんのオススメの一つで、殿様が弓道に打ち込んでいたときの心理描写に凄みが感じられるとのこと。


ノンフィクションでは、
最高傑作として、「祖父小金井良精の記」を。日記を淡々と記述して時代の雰囲気を醸し出すことに関して、星さんの上手さがよく出ているという評価。
この本の最後に感じる無常感は、人類滅亡に際した最後の人間を描いたショートショート作品のラストに通じるものがある。


そのほか、様々な作品やエッセイに関して話しておられたが、面白いな、と思ったのは、

星さんのロボットものは大体マッドサイエンティストものである、という指摘。

実は、ロボットが何かするのではなくて、そのロボットを作った科学者や(外宇宙から来たなどの)得体の知れないロボットと相対する科学者が何かするプロットの作品であることが多いというのは、ちょっと思い出してみても納得。

瀬名さんのベスト3はこういうものになるのだとか。

1位 「一つの装置」
ある広場にボタンを押すとそのボタンを元に戻す以外の「何の役にも立たない」という触れ込みの機械が設置されたが・・・

2位 「ボッコちゃん」
いわずと知れた代表作の一つ。セラピーロボットの先駆け?

3位 「花と秘密」

孤島の秘密研究所の窓に飛び込んできた秘密開発指令は「花の世話をするモグラ」の絵。科学者たちはモグラ型のロボットを開発し・・・

番外 未収録エッセイ「年月」で挙げられていた作品にならなかったアイデア
「我が家に初めてロボットがやってきたときの少年の心の変化に焦点を当てた話を書いてみたかった」


結局、科学に対して妄信も否定もしないで、それを扱う人間の方を描いていたのが星さんの小説作品であり、エッセイ等であったのかな、ということなのでしょう。実は、ノンフィクション系はほとんど読んでいないので、今度、手を出してみようかな。

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