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zoom RSS 本「果しなき流れの果に」

<<   作成日時 : 2010/03/30 23:16   >>

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小松左京の長編SFで一番の傑作とよびごえの高い作品。まぁ、壮大な舞台装置の点では間違いなく一番になるだろう「虚無回廊」は未完で、「日本沈没」と同じく他の著者に引き継がれそうだし、単著の作品としては最終的にそういう評価になるのかもしれないですね。実は3度目のチャレンジでやっと読み通しました。若干ネタバレを含みます。



何で途中で挫折してしまうかと言うと、私が一気に読み通さないと何の話なのか分からなくなってしまうから。

果てしない流れ=時間の中で、ある目的に沿った秩序だった進化の維持とそういった変化への抵抗、という対立軸をベースにした対決のお話なので、その対決は、時間軸的には過去と未来を行ったり来たり。そのうえ、パラレルワールドも飛び越えているので、同じ地球でも、ある時点で滅亡する地球を舞台に話が進んだと思ったら、そのような経緯と違う未来になった地球に行ったり、はるかな過去や未来に舞台を移していくのが先ず一つ。

で、登場人物の関係が段々と変化していく、というか関係性が変化するのではなくて、ある場面で何かしていた人が、別の場面でその時のその人がここに!みたいな感じで登場するケースがいくつもあるので、誰が誰だったっけ状態になってしまうのがもう一つ。


個人的に、壮大な世界観の作品を読んでいる(別に本に限らず、RPGとかでもそうなるが)と、読み進めるのを中断している間も、自分の頭の中で、その世界はどういう構造をしていて、それぞれの人はどこで何をしていて、伏線らしき話は何に繋がるのだろう、と解析し続けてしまうクセがあるので、休み休み読んでいると続きが気になって日常生活に支障が出る傾向が。そのために、一気に読めないことが分かっている場合には、あえて最後の章を先に知ってしまってから読み始めることがあるほど。

そのうえこの作品が、宇宙の進化とか、意識とか存在に関する話を混ぜてくるので、その微妙に哲学テイストなところで引っかかってしまうことがあって、読み終わるまでの時間が取れなさそうだとふんだ段階で途中で投げ出してしまったことがある、という話。


読み通してみれば、冒頭の恐竜絶滅からラストの老カップル(と称するのは本当は間違っているのだが)の対話まで、ちゃんと筋が一定の結末まで繋がっていて、伏線も話の導線も繋がっているという「きちんとまとまっている作品」。

私が今までに読んだ小松長編だと、「日本沈没」にせよ「こちらニッポン…」、「復活の日」にせよ、「さよならジュピター」、「首都消失」など、小説の終わりが「物語の終わり」になっていない(その中では映画の小説化作品である「さよならジュピター」が一番ケリがついてるけど、それでもその世界で問題になっていたことは解決していないまま話が終わってしまう)ので、この点は確かに評価ポイントが高いです。


でも、地球人類としての種を超えて、時空を超越した意識体となった存在同士が対決し、その中から、何で意識なんてものがあり、その進化は何を目指していて、宇宙はどこに向かっていこうとしているのかに関する考えに一定の結論が出せたかというと、その点はさすがに無理。それは空を飛ぼうとしたイカロスのようになってしまいます。

でも、何もない「無」から生まれた宇宙の中になんで「意識」が必要なのか、我々はどこから来て、どこに行くのか、を思わせる小説なのは確か。これを、最高傑作に推す人が多いのもむべなるかな。


結局、答えを求めて奔走した男性と、ただあてもなく待ち続けた女性は、どちらも答えを得ることなく、最後に穏やかな結末を迎える。現在は、まだ「未来」をその流れのままに待つことでしか迎えられず、その流れ行く先に何があるかを知ることもできないけど、その中に秩序を見出して均衡させていけばよいのでしょうかね。


果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
角川春樹事務所
小松 左京

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