いーわん情報源 たまには日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 本「それでもぼくは生きぬいた―日本軍の捕虜になったイギリス兵の物語」

<<   作成日時 : 2010/02/09 08:28   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

第二次世界大戦で、日本は完膚なきまでに敗れ、原爆を落とされ、国は焦土と化した。では、日本人は、「軍部」なる指導者たちが悪人で、他は全て被害者だった、あの戦争をもう一度やるのは嫌だ、というだけで済むのか、という問いを突きつけられる一冊です。

それでもぼくは生きぬいた(梨の木舎)


実は著者と親戚にあたるので、手に入れた本。こういう本は都心の駅前にあるような某大型書店にも置かれていなかったくらいで、著者と特殊な繋がりがあるか、特別な問題意識のある人の中でしか、なかなか人の目に触れる場所に出てきません。

でも、ここに書かれていることは、日本では誰も知らないことかもしれないが、英国では多くの人が知っていること。太平洋戦争緒戦で、マレー半島、シンガポールでの戦いに勝利し、大量の英国連邦兵士の捕虜を受け容れた日本軍が何をしたか、その仕打ちを受けた英国兵がその後どうしたかの物語。

何年か前に、天皇陛下が訪英したときに英国軍元捕虜の皆さんが背を向けて出迎えたとか、オーストラリアやオランダで日本に対する悪感情があるとかいう話のルーツはここ。


それこそ、死の行進と言われた出来事であるとか、オーストラリア従軍看護婦が無惨にも銃殺されたとか、捕虜に対して行われた虐待の数々であるとか言った出来事が、それらの国々では知られていて、日本人というのはそういうことをする人たちである、というのが意識の奥に残っていることとどう向き合うのか、という問いの本です。


もう、そうしたことを行った世代も行われた世代もこの世からいなくなりつつあり、日本人は、戦前の日本人と今の日本人は違う人種であったかのように知らん顔をしているが、やられた側はそうはいかない。やった側は忘れてもやられた側は忘れないというのは、いじめからこうした戦争行為まで共通する事柄でもある。当然、やられた側としての日本人も自分たちのことはちゃんと覚えていますし。

で、何かのときに「こんなことをされた、こんな目に遭わされた」と主張したときに、「でも、君たちだってこんなことをしたじゃないか」と言い返されて、「え、そんなことを我々はしたのですか?」などと言うようでは説得力も尊敬も何もあったものではない。

綺麗事を言うが、自分の過去の悪事とはちゃんと向き合わないまま、と思われていては、「国際社会で名誉ある地位を占めたい」など夢のまた夢。

少なくとも、規模や程度はともかく、日本はこういう人たちにこういう迷惑・損害をかけた、日本ではこういう人たちがこんな目にも遭った、おあいことは言わないが、それぞれの被害者たちは、その「国の因果」を自らで担う必要がなかった人たちだったのは確かで、そういうことが起きてしまうのが戦争であるということを踏まえて、「戦争はよくない、平和を求める」と言うことが大事なのでしょう。


この本は、たまたま、アメリカ、スイスと移り住んできた著者が、数年前から英国に住むことになったときに、そうした「英国軍の元捕虜兵士」たちや遺族の対日感情と直面することになり、その元となった出来事への無知を克服するために書いた本。

ジュネーブ条約を無視した強制労働に、食料や医薬品はもちろん、寝るスペースすら不十分な劣悪な生活環境、監視の兵士による虐待といった日常の中で、ラジオを隠し持って(または自作して)世界の情勢を知り、捕虜同士で知識を交換して勉強を行ったり語学を学んだり、よりよい環境の収容所に行くために病気になったり怪我したりもしたという、体験談が書かれています。

ここに出てくる人たちは、最終的に日本人と和解する方向に自分の心を癒すことが出来た人たち。今でも日本人に遇うと体調を崩すといった人と比べれば、捕虜体験談の中でも、よりマシな部類に属するはず。

恨みだけでは何も生まれない、境遇を悔やんでも何も変わらない、その中から何かポジティブなものを生み出せるだけの人たちの体験談は、輝いて見えるとともに突き刺さってきます。


あとがきにこんな一節が。

戦争では日本人も苦しんだが、一方的な被害者意識で過去を葬るまえに、敵だった相手と敵でもなかったアジア人に日本人は何をしたかということを知らなければならない。私たちが過去を認識し、その上で謝罪するかどうかを決めることで、国際間の和解と理解が深まればと願う者である。

私には何ができるだろう?




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
本「それでもぼくは生きぬいた―日本軍の捕虜になったイギリス兵の物語」 いーわん情報源 たまには日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる