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zoom RSS ミュージカル「三文オペラ in Japan」を見に行った

<<   作成日時 : 2010/02/23 22:52   >>

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友人が所属する劇団のミュージカルを毎年見に行っていますが、今年はその劇団の設立5周年ということで、大作に挑戦したそうです。演技も成長しました。

今回は再び原作ありで、こんな内容

どうアレンジするかというと、

劇団Tomorrow

牧村正輝は盗人で人殺しの大悪党。通称「匕首(あいくち)マッキー」。乞食の元締めである野原庄吉の娘、美智子と結婚式を挙げた。ところが二人の結婚を知った庄吉と妻芳恵は娘を寝取られたことに怒り、マッキーと分かれるよう美智子を説得するが耳を貸さない。何としても美智子とマッキーを引き離すため、庄吉は城北警察署長の鮫島にマッキーの逮捕を要求するが・・・


舞台は終戦直後の闇市時代。衣装はなかなか真に迫っていて、雰囲気はよく出ている感じ。やはりこの手のリアリティは大事です。

今回は重層的な作りや複数のテーマといった筋の複雑さが無いので、ストーリーは追いやすくなりますが、

「何が幸せか、人は何のために生きるのか」という何度も現れる問いに、登場人物たちが執拗に繰り返す「人生、カネが全て、カネが無くては幸せになれない」は本当に正しいのか、逆に「行いを正しく生きれば幸せになれる」は信じるに値するのか、友情とか愛情とかは信じられるのか、など考えるネタが非常に数多く作中にばら撒かれているので、それを拾っているとかなり重い印象になります。


個人的に着目したのは、どんな境遇であっても必死に生きるその生命力の描写。登場人物は、犯罪者に娼婦、乞食などの弱者。生きるために何でも利用していかないといけないが、そこに卑屈さはなく堂々としている。とにかく「生きるんだ!」という意思は、多くの登場人物から感じます。「何のために生きるのか」を考える余裕を持てないはずの境遇、でも、そこに「死ねば楽になる」はなく、とにかく「生きてさえいれば」なのです。

特にその点はほぼ全員登場で行うコーラス(貧しき人たちの叫び、囚人のダンスなど)で強く出ましたかね。ついでに、こういった踊りでは、乱れがあったりしたものだけど、今回はいつもより大勢なのに、舞台上での動き回りもスムーズで、手足の動きもなかなか揃っていて良かったなぁ、と。


で、今回は、筋がかっちりしているせいか、お遊びの要素は少なめ。お金を貰うための乞食術とかちょっとした会話で笑える部分はあるし、結婚式のシーンで、階上に取り残され、下からお酒を取り寄せて飲み巫女とよろしくやっている神主みたいなコミカル演技はあるけど、いつものように、主役の会話の周辺で妙なリアクションをするような演技はなかったなぁ...ある意味、真面目な進行にした、ということかな?


そう、その進行で今回は面白い趣向が。役名は「進行係」。舞台の幕開けからエンディングまでを仕切るその人物は、演劇の外(時には舞台の外)にいて、幕を開け閉めすることで場面転換そのものを仕切ったかと思うと、登場人物との関係性が何もないにも関わらず、急に舞台の中で「登場人物の重要な心情について問うたり、語り合ったりし」、歌を歌う。これはもう「天の声担当」か?という感じで、話を分かり易くすることに重要な寄与をした印象。まさか、ラストでああいう登場をして話を終わらせるとは...という意外性もあって、結構いいところを持っていってしまいました。


最近は、ミュージカルではなく演劇である印象が強かったのですが、今回は、客演の役者さんを大勢加えていたおかげか、群舞のレベルも上がり、裏切りなどを盛り上げる緊迫感のある音楽を得て、ミュージカルになったイメージ。あと、テーマソング?の「マック・ザ・ナイフ」。同じモチーフの曲に、別の歌詞がついて、幕開けからエンディングまで何度も使われるので、印象が強くなりました。これは高評価。

現に、帰るときに、携帯をかけながらテーマをハミングしている女性を見かけましたし。

問いが問いなので、単純に悪が滅びてもなぁと思っていたら、かなりの強引なオチ。でもハッピー?エンド。まぁ、それくらい強引なことをしてでも後味を悪くしたくない、というのはこの劇団らしいというのは評価の対象かな。でも、身近なものの裏切りなどが露見し、三重婚(+愛人)の主人公が安易に生き残ったのをハッピーというかは?


そういえば、「頭を使え、生き残りたけりゃ、何でも信じちゃダメだ」って歌っていた(うろ覚え)けど、ちょっと仕事上身につまされますねぇ。


おまけ。
この劇団の過去作品感想へのリンク

ミュージカル「進女類」に行ってきた。(2009/03/17)

ミュージカル「2つの肖像」(2008/03/21)

ミュージカル「アリーテ」に行ってきました(2007/03/11)

演劇「リューシストラテー・この町で」(2006/02/05)



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
観劇ありがとうございました!テーマについて語っていくと結論はでなさそうです。それぞれが感じていただければそれでいいです。どうもありがとうございました!
kizuneko
2010/02/24 00:44
kizunekoさん、ミュージカルお疲れ様でした。
毎年、力を与える演劇をありがとうございます。

テーマはなかなか答えを出せそうにありません。
考えて出すものではないのでしょうね。
来年も(?)楽しみにしています。なるべく早いうちに飲む機会を作りましょう!
いーわん
2010/02/27 22:54

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