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zoom RSS 本「日本のいちばん長い日」

<<   作成日時 : 2009/08/15 07:07   >>

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いつだったか忘れてしまうくらい昔に、この本を元にした映画をテレビで見て、暗がりの中を録音盤を見つけ出そうと動き回る叛乱軍の記憶がずっと頭に引っかかっていました。玉音放送が流れるまでの24時間に関するドキュメンタリー。舞台はほぼ千代田区の中だけで、話は進行していきます。


決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)
文藝春秋
半藤 一利


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ほぼ同じ題材と言える「同日同刻」の方は、様々な立場にいる人の日記を組み合わせて、多角的に「その日」を浮かび上がらせるドキュメンタリーですが、

こちらは、終戦工作の最終段階「どうやって国を混乱に陥らせることなく白旗を揚げるか」において何らかの役割を担った人たちにインタビューを行い、その証言から「誰がその時何をしていたか」を掘り起こしていくドキュメンタリーです。

大宅壮一の傑作ノンフィクションとして世に知られた作品で、私もそう記憶していましたが、実は、当時はサラリーマンだった半藤一利氏の作品で、約10年前に「その後判明した事実」を加えて「決定版」として改訂新版として出されたというのが、文庫で出ていたので、これを機に読んでみることにしました。


この「24」にはアクションはほとんどなし、どんどん大きくなっていく危機とか、超人的な活躍をする主人公もなし、時間とともに状況は狭い場所にフォーカスし、主人公になるような人は一人も見当たりません。あえていえば、淡々と死の準備をしている陸相が「陰の主役」か。


スタートは、14日午後0時、終戦を決断する「第二回目の御聖断」を発する昭和天皇のお言葉。
時間帯毎に章立てされた第1章のタイトルは、「”わが屍を越えてゆけ”−阿南陸相はいった」。

陸軍の面子丸つぶれ、でもそんなものを保持することができるほど国と民に継戦能力なし、という状況で、(実を失い形式的な生を保つことは死と同じ、と)破滅的な「散り際の美学」を振りかざすのか、それとも(何があっても死んでしまっては元も子もなし、生きてさえいればいつかまた復活できる、と)「忍び難きを忍び」生き残るのか、青年将校と陸相以下の幹部がぶつかり、

前代未聞の玉音放送の準備をする人たち、外交チャネルで降伏を伝達する人たち、不穏なクーデターの噂に怯える人が動き回る中、

夜中になって、宮城事件といわれる近衛師団による暴動が発生、

その騒ぎに巻き込まれ苦しい一夜を過ごす、侍従、宮内省、放送局の面々、

それと連動しないで別の場所で別の形で徹底抗戦を叫ぶ軍人たち。

結局、徹底抗戦には誰もついてこず、宮城事件の鎮圧と前後して、陸相は自刃。

「”ただいまより重大な放送があります”−和田放送員はいった」と題された第24章で、15日午前12時からの玉音放送の模様を描写してドキュメンタリーが終わります。


全て「当事者がインタビューで語った事実」のみで構成し、それを語れる当事者がいないなどで不明確な点は注釈でつまびらかにしてある点に、「歴史」を語ろうとする気迫が込められている気がします。

帯に「その日 日本で起きたこと 起きなかったこと」とありますけど、起きなかったこと=終戦が頓挫し徹底抗戦側に舵が再度切られ、徹底的な国家の滅亡を招く事態というのは、実は、もうそんなこと誰にも出来なかったのではないか、というくらい戦争に負けたのだろう、という気が。


「抜け殻になった国体」が生き残ることに意味はないという青年将校の感情は、「日本人としてのアイデンティティを失いつつある」風景から見れば首肯できる部分もあったりするものの、その者たちの「あるべき国体」とは、「軍あって国家・国民なし」な価値観が覗くものでもあり、それがゆえに他者に受け入れられない独りよがりな動乱として鎮圧されることになったのかな、と。


何があったのか、何ができたのか、何をしたかったのか、何を守ったのか...その世界を受け継いだ我々にとっての「最初のページ」の出来事として、ちゃんと知っておかないといけない話なのでしょうね。



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