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zoom RSS 本「人類 月に立つ」

<<   作成日時 : 2009/08/13 21:51   >>

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先月の皆既日食ツアーのお供本。丁度、月面着陸40周年のメモリアルデー(日本時間の7/21)に、皆既日食のために旅行している、という状況で他の本を読むという選択肢はありえません。「20世紀最高の冒険譚」であるこの物語に決まりです。

とは言え、旅行用の荷物としてはこの本は大変です。ハードカバーで上下巻。膨大な注釈も含めると全部で900ページ近い大著。機内手荷物として持ち歩いたり、ツアー移動中のバスの中で読んだりするには1冊の本が重過ぎる...文庫全4巻組ででも再版してくれないですかね。


さて、本自体は、アポロ1号の火災事故による宇宙飛行士3名の喪失の描写から始まり、

時を巻き戻してケネディ演説により本格化する宇宙開発競争の状況を活写し、

初の月周回を行った8号、

月面着陸を成し遂げた11号、

酸素タンクの爆発という大事故からの生還というある意味月面着陸より難しい奇跡を実現した13号、

そして、月面車を駆って着陸地周辺を周り、地質学調査において大きな業績を挙げた15,16,17号


という、ケネディが見た夢「60年代中にアメリカ合衆国は月面に人類を送り込み、生還させる」を本当にやってのけたアポロプロジェクトの膨大な関係者のドキュメンタリーにして、

アポロ計画で宇宙に行った宇宙飛行士で90年代当時存命(1人だけ既に亡くなっていた)だった全員にインタビューに成功した著者が書いた「アポロ計画正史」です。


私はアームストロング船長の月面着陸をリアルタイムで体験した世代ではないので、後からビデオで見る「白黒のピントがぼやけた映像の中でもこもこと動き回る2人の男の映像」とあの有名な台詞くらいしか知らないといっても過言ではないのですが、

その背後にある膨大な物語が丹念に物語られます。

一匹狼揃いと表現される自信、能力、自負心その他諸々に卓越した宇宙飛行士たちが、様々な経歴から宇宙飛行士になるに至る経緯や想い、

それをプロジェクトとして統括するNASAの人たちの管理、

宇宙飛行ミッションの椅子を獲得するための宇宙飛行士たちの競争意識と、席を得られないものの悲哀、

とにかく無事に月面に着陸し、離陸できることを証明するのが一番大事だった、技術的でテストパイロットの領域な宇宙ミッション(アポロ11号と12号)と、

ようやく落ち着いて考えられるようになった「月に着いてから何をするか」の問いに、「地学的調査」を実施するという科学的な宇宙ミッションを掲げて臨んだ(学術的には大事だけど非常に地味な)アポロ14〜17号の違い、

パイロットで技術者な宇宙飛行士たちに「地質学者」の能力を授けようとする地上のサポート学者たちの奮闘と、その成果成し遂げられた「地学的な発見」

など、1度着陸できたんだから、その後に6回も月まで飛んでいく必要なんてなかったのでは?なんて問いが陳腐極まりないことが分かるくらい最後まで密度が濃い月面探査であって、でも、全てを解き明かすにはほど遠い状態のまま中断されたままになっているという無念さがインタビューの行間からにじんでくる感じがします。


劣悪な生活環境でとんでもない場所(宇宙空間)に送り出され、分刻み、秒刻みでやることに追われるために寝る暇・食べる暇も危うい忙しいミッションをこなした「宇宙飛行士」と、それを宇宙空間における犠牲ゼロでバックアップしきった「地上のメンバー」の両者のすごさを実感できる本。

でも、これを読むと、その後何十年も「次の月面探査、火星探査」が出来ない理由も何となく分かる気がします。

40万人ものメンバーが「一つの目的(月面に人を送り、生還させる)」のために寝食を忘れて一心不乱、最高の士気と能力発揮と協力関係で取り組み、それをまた国民が自らの税金を拠出してやることを認めたからこそ出来た「アポロ」...

いくら技術的にはその後長足の進歩があったとは言え、「いつまでに何をする!」という明確なゴールもなく、「命のリスクをどこまで取るかの決断が難しい現状」に、

有人宇宙探査に国の予算を使うことはそんなに優先順位の高いことか?という有権者の反応があっては、

人類が地球の重力のくびきから脱して行くのは、まだまだ先のことになるのだろうな、と。


まして、実は10年前に出版され、アメリカで連続TVドラマ化され、それもDVDで販売された、というこの本が、重版も文庫化もされず今は絶版で、「アポロなんて嘘なんでしょ?」とか言う人が跋扈している状況では、「次の有人宇宙探査」なんて夢に歩いていけるようになるのはいつになることやら。

次は、買っておいて未だ見ていないTVドラマ版を見なくては。


でも、原題の"From the Earth to the Moon"...まさかタイトルの元ネタがこれだったとは、すっかり気が付きませんでした。


人類、月に立つ〈上〉
日本放送出版協会
アンドルー チェイキン


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人類、月に立つ〈下〉
日本放送出版協会
アンドルー チェイキン


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