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zoom RSS 本「同日同刻」

<<   作成日時 : 2006/12/07 06:49   >>

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故山田風太郎氏の忍者ものでない方の本。というわけでお色気はナシ。戦中派らしい太平洋戦争に関する著作です。

で、この本、昭和16年12月8日と、昭和20年8月1日から15日までの間の計16日間につづられた多くの日本人(じゃない人も少し入っていますが)の日記を繋ぎ合わせた本ですので、1節ごとに視点がどんどん変わってしまいます。
それも、戦争の遂行者(兵士たち)、戦争の当事者(大臣などの政府関係者、官僚)、著者自身の戦時中の日記(疎開中)を含む作家の日記などの市井の人々、果てはチャーチルなどの敵方の日記までが、「ただ同じ日について書かれたものである」という切り口だけで並べられているので、確かに「同日同刻」としか言い様が無い状態。
その構成のおかげで、誰かに感情移入することが妨げられるので、読んでいるものは日記という主観的な文章なのに、太平洋戦争に関する客観的な本になっている気が。これこそが著者の狙いだったのでしょう。

戦争の始まりと終わりという「歴史上の大事件」がおきた日であっても、その中に居た人たちは、それなりに普通の生活を送っていたわけだし、誰も彼もが「戦争」をしていたわけではない。特に開戦日は、決断した人と実際に戦場にいる人以外には普通の日とさして変わらない日だったのではないかと。

でも、だんだんと「負け」に向かっているのがはっきりしている昭和20年の日記は、誰の日記にも戦争の影があります。6日・9日の原爆被害がどんな兵器が使われたのか分からないまま記され、また「新型爆弾」の話が政府内でこっそり語られ、物資の困窮が生活を苦しくしている話題があり、降伏の詔勅の録音盤強奪をめざすクーデター未遂に巻き込まれる人がいて、最後に皆が放送を聞き、「空っぽの夏の日」を迎えます。しかし、これだって、全国民が一斉に虚脱感の中で敗戦を迎えたのではなく、これからどうなるという不安の中ではあるが、逆に解放感を感じた人もいる(弾圧を受けた人は解放されたし、何よりもう空襲警報は無い)。物の見方はその人の立ち位置と持っている情報によって変わるのも事実。


もう戦時体験者が少数派になってしまったからこそオススメの一冊。私が最初にこの本を手に取ってからもう15年を超え、とっくの昔に絶版になっていたけど、今年、文庫で再度出版されたので、この機会にぜひ、ということでご紹介。
同日同刻―太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日 (ちくま文庫)

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